閃輝暗点など「前兆のある片頭痛」で”脳卒中リスクが上がる2つの行動”とは?【医師監修】

閃輝暗点を伴う片頭痛は、片頭痛全体の中でも特徴的なタイプです。前兆のある片頭痛ならではの注意点や、頭痛を伴わない閃輝暗点のケースについても理解を深めることが大切です。本章では、前兆のある片頭痛の特徴と、閃輝暗点のみで頭痛が現れない場合の考え方について解説します。

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

閃輝暗点と片頭痛の関連性

閃輝暗点と頭痛の関係を理解することで、症状の予測と対処がより適切に行えるようになります。

前兆のある片頭痛の特徴

前兆のある片頭痛は、片頭痛全体の約20~30%を占めます。閃輝暗点は最も一般的な前兆症状ですが、そのほかに半身のしびれや脱力、言語障害なども前兆として現れることがあります。前兆症状は通常5分以上かけてゆっくり進行し、60分以内に消失します。その後、0~60分以内に頭痛が始まることが典型的なパターンです。

前兆のある片頭痛の患者さんは、前兆のない片頭痛と比べて、脳卒中のリスクがわずかに高いことが報告されています。特に喫煙者や経口避妊薬(低用量ピル)を使用している女性では、このリスクがさらに上昇します。そのため、前兆のある片頭痛がある方に対して、エストロゲンを含む経口避妊薬の処方は原則「禁忌(使用不可)」とされています。禁煙や、ピル以外の避妊方法・月経困難症の治療選択について、必ず医師と相談してください。

閃輝暗点のみで頭痛がない場合

閃輝暗点が現れても、その後に頭痛が起こらないケースもあります。これは「無頭痛性片頭痛」または「片頭痛等価症」と呼ばれます。特に40歳以降の方で、以前は頭痛を伴っていた閃輝暗点が、年齢とともに頭痛を伴わなくなることがあります。

ただし、初めて閃輝暗点のような視覚症状を経験した場合、特に50歳以上で突然現れた場合は、眼科疾患や脳血管障害などの他の疾患の可能性も考慮する必要があります。網膜剥離、眼動脈閉塞、一過性脳虚血発作などは緊急性が高い疾患です。閃輝暗点との鑑別が必要なため、初発の場合は必ず医療機関を受診しましょう。

まとめ

片頭痛は適切な治療によって、発作の頻度や重症度を大幅に軽減できる疾患です。予兆から閃輝暗点、嘔吐に至るまでの各段階を理解し、自分の症状パターンを把握することで、早期対処が可能になります。生活習慣の見直しと適切な薬物療法の組み合わせにより、片頭痛と上手に付き合いながら質の高い生活を送ることができます。症状が日常生活に支障をきたしている場合は、我慢せずに専門医療機関を受診し、自分に合った治療法を見つけることが重要です。片頭痛は決して「我慢すべき症状」ではなく、適切な医療介入によって管理できる疾患であることを理解し、積極的に治療に取り組みましょう。

参考文献

神経治療学会「頭痛の診療ガイドライン2021」

厚生労働省「頭痛について」

日本神経学会「頭痛診療のガイドライン」