台湾総統専用機の飛行許可を3か国が取り消し、日本政府「飛行の自由」影響注視…中国側は対応を「称賛」
台湾の頼清徳(ライチンドォー)総統の専用機がインド洋の島国3か国から上空飛行許可を取り消され、アフリカ訪問を急きょ中止した問題で、日本政府は国際法上の「飛行の自由」への影響を注視している。
台湾側が指摘する中国の圧力が事実であれば、国際航空網を政治的威圧に利用する前例となり、自由な飛行の妨げになるためだ。
木原官房長官は23日の記者会見で、「航空安全という国際社会の共通利益を確保することは重要だ。そのために、すべての関係国が(航空行政を)透明性をもって運用することが重要だ」と強調した。ロイター通信によると、米国務省の報道官も懸念を表明した。
頼氏は22日にエスワティニを専用機で訪問予定だったが、通過ルートにあたるセーシェル、モーリシャス、マダガスカルから飛行許可を取り消された。通過国からの飛行許可が下りずに総統外遊をとりやめたのは初めて。3か国周辺の公海上空を通る計画だったという。
国連の専門機関、国際民間航空機関(ICAO)は公海上の飛行の自由を保障するため、加盟国の領空周辺に「飛行情報区」を設定している。各国は安全に飛ぶための天候情報提供や高度指示などを実施しているが、3か国はこうした航空交通業務を拒否した形だ。
台湾当局者によると、中国が債務免除の撤回などをちらつかせて飛行許可取り消しを迫ったとの情報がある。中国側は圧力を否定する一方、3か国の対応を「称賛」するとしている。日本政府関係者は「政治的意図に基づく『航空交通の武器化』は認めないとのメッセージを、各国が発信し続ける必要がある」と話す。
