″藤棚″は学校と地域をつなぐ宝物 豪雨被災を乗り越え 満開の下で「感謝の給食」 熊本・八代市
熊本県八代市の小学校に咲く美しい藤の花が、学校と地域をつなぐ宝物として大切にされています。
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その花の下で開催されたのが、地域の人たちへ贈る「感謝の給食」です。
8か月前、土砂に飲まれた
薄紫色の可憐な花を連ねた藤棚。
八代市の龍峯小学校です。
今から8か月前、この場所は全く違う景色でした。
去年8月の豪雨災害では、熊本県内で6人が死亡、1人が行方不明になりました。住宅被害は約8600戸に上りました。
龍峯地区の被害も甚大で、多くの住宅や学校が、大量の土砂に飲み込まれました。
大好きな学校がこんな状態に…本当に悲しい
この時、新学期の開始まで2週間、学校が心配で様子を見に来る児童もいたといいます。
龍峯小学校 服部利恵校長「児童が『僕は学校が大好き。学校がこんな状態になったのが本当に悲しい』と。早く再開させたい」
そこから復旧作業が始まり、子ども達のためにと多くのボランティアが力を尽くしました。
作業中にはこんな指示がありました。
藤棚を守ろう!
「藤棚の根を守るということで、根が呼吸できるようにしたい」
この藤棚は地元の人から贈られてから、大切に育てられ、その歴史は80年にものぼります。
見頃を迎える春には、地域の人を招き、この下で給食を食べるのが龍峯小学校の伝統です。
重機で作業をすれば藤の根を傷つけるかもしれないと、丁寧に、人の手で泥がかき出されていきました。
保護者「咲いていますね。開花はこの時期ではないんですけど。どうしても復旧させて、藤棚給食をまた再開したい」
学校生活の再開、そして――
そして、新学期は1週間遅れの9月1日にスタートしました。
当時2年生の児童「はやく2学期が来ないかなぁって。学校が楽しいから」
校長「たくさんの人の支えがあり龍峯小学校が元に戻りました。感謝の気持ちをこれからの姿で伝えていきましょう」
児童「はい!」
その後も、地区では復旧作業が続きました。
ボランティア「困っている人がいると聞いて、少しでも力になれたらと思って」
去年12月には、災害ボランティアへの感謝の気持ちを込めて、餅つきが行われました。
餅つきに参加した児童「私たちが住む地域のために手伝ってくれて、うれしいし、優しいなと思った」
4月24日には、卒業式が行われました。
卒業式、感謝
卒業生「ボランティアの方々の思いを持ちながら、中学生でも頑張っていきたい」
卒業生「感謝を伝えて恩返しがしたい」
そして、被災から8か月が経った4月。去年、土砂に飲み込まれた住宅では庭が作り直され、春の草花が咲いていました。
しかし、そのすぐそばには、今月になってようやく解体作業が始まった住宅もあります。
それぞれのペースで復旧を目指す中、学校へやって来た地域の人を、藤の花が迎えました。
学校を元通りにしてくれてありがとう
「いっしょに給食を食べて楽しい思い出を作りましょう」
「手を合わせてください」
「いただきます」
地域の大人と子どもが、藤棚で給食をはさみ時間をともにしました。藤の花言葉は『優しさ』『絆』です。
児童の祖母「きれいですね すばらしいです。水害でどうなるんだろうと思っていた運動場もだいぶやられていたから、今日、見て『あぁよかった』と」
「第1問!」
「じゃじゃん!」
「藤棚は何年前から続いていますか」
「正解は、80年前です」(拍手)
児童の祖母「香りがすごいです。藤の花が歓迎してくれているのかな。すごいと思いました」
親子孫3世代で参加「私もここの卒業生で、在学中も藤棚給食があった。これからも私の孫まで続いてくれたらいいなと思う」
「学校を元通りにしてくれてありがとうございます」
「ありがとうございました!」
