年金「月20万円」はハードルが高い? 実現するには現役時代にどの程度の収入が必要なのでしょうか?
日本の年金平均受給額は?
日本の年金制度は、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建て構造です。
厚生労働省年金局によると、会社員や公務員などが加入する厚生年金保険(第1号)の受給者における令和6年度の平均年金月額は、15万1142円となります。
自営業者や専業主婦・主夫などが受給する国民年金(老齢基礎年金)の令和6年度の平均受給額は、月額5万9431円です。
これらはあくまで全体の平均値であり、実際の受給額は加入していた年金制度や現役時代の収入、保険料の納付期間などによって変動します。
年金20万円をもらうにはいくらくらいの年収が必要?
年金を毎月20万円ずつ受け取るのに必要な年収は職業ごとに異なるようです。
会社員や公務員などの場合は、原則として厚生年金と国民年金を受け取れます。令和7年度(2025年度)の国民年金(老齢基礎年金)は、満額で年額約83万1700円ほどです。
そのため、不足する156万8300円ほどを厚生年金で準備する必要があります。これを平成15年4月以降の加入として、40年間(480ヶ月)の加入期間を前提に試算すると、現役時代の年収はおおむね約715万円が必要という計算になります。
自営業者やフリーランスなどの場合は、どれだけ年収が高くても公的年金は基本的に国民年金のみとなります。令和7年度(2025年度)の場合、満額でも月額に直すと約6万9300円にとどまるため、公的年金だけで20万円に到達する可能性は低いようです。
自営業者やフリーランスの方が年金を増やす方法
自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者は会社員などと異なり、厚生年金がないため、基本的に老後の備えが老齢基礎年金のみとなるケースが多いです。
その不足分を補うため、国はいくつかの公的な上乗せ制度を用意しています。これらの制度を活用することで、将来の年金額を増やすことが可能です。
自営業者やフリーランスの方が年金額を増やすための主な方法としては、次の2つが挙げられます。
・月額400円で年金額を上乗せする「付加年金」
・生涯にわたる収入を確保する「国民年金基金」
まず、手軽に始められるものが、毎月の国民年金保険料に月額400円をプラスして納める「付加年金」です。日本年金機構によると、将来受け取る老齢基礎年金に「200円×付加保険料を納めた月数」の金額が加算されます。
例えば20年間「付加年金」を納付した場合、支払う保険料の総額は9万6000円ですが、受給時には毎年4万8000円が一生涯加算されます。受給開始から2年で支払った保険料の元が取れる計算になり、効率がいい制度といえるでしょう。申し込みは市区町村の役場や年金事務所で行えます。
より手厚い保障を求めるなら、国民年金基金が選択肢に入ります。これは会社員の厚生年金に相当する役割を担う公的な年金制度で、生涯にわたって受け取れる終身年金が基本なようです。
掛金は加入時の選択するプランによって決まり、月額6万8000円を上限に自由に設定できます。支払った掛金は全額が社会保険料控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を軽減しながら老後資金を準備できる税制上のメリットもあります。
どちらの制度も魅力的ですが、付加年金と国民年金基金は同時に加入することはできません。また、国民年金基金は一度加入すると原則として自己都合での脱退ができない点に注意が必要です。自身のライフプランや収支のバランスを考慮して、適切な方法を選択する必要があります。
年金月20万円受け取るには、会社員などの場合年収715万円程度が目安
将来の生活設計を立てるうえで、年金制度の仕組みや平均的な受給額を知っておくことは大切です。会社員や公務員などが月20万円の年金を受け取るためには計算上、現役時代に平均年収約715万円を40年間維持するというのがひとつの目安となります。
自営業者やフリーランスの場合は、老齢基礎年金のみでは不足する可能性があるため、付加年金や国民年金基金といった公的な上乗せ制度を活用することが大切です。自分の年金額を把握し、早めに備えを整えておくとよいでしょう。
出典
厚生労働省年金局 令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II. 厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)、III. 国民年金 (2)給付状況 表20 国民年金 受給者の平均年金月額の推移(19ページ)
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について 令和7年4月分(6月13日(金曜)支払分)からの年金額
日本年金機構 付加年金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
