「最後の関門」は5時間、14年ぶり営業運転再開の柏崎刈羽原発「ゴールではなくスタートだ」

東京電力は16日、柏崎刈羽原子力発電所6号機の営業運転を約14年ぶりに再開した。
首都圏への本格的な電力供給に向け最後の関門となったのは、同日行われた「総合負荷性能検査」だった。
同検査は、電力会社が原発を営業運転に移行する前に行う必要がある。各設備のデータを記録し、正常に機能しているかどうかを確認する。
東電によると、検査は▽原子炉出力や圧力、水位▽ポンプの速度、振動▽蒸気や水の流量▽タービンに入る蒸気の温度――などの項目が対象。同日午前6時40分から11時51分まで約5時間かけて行われ、異常は確認されなかった。
原子力規制委員会は、東電による検査が適切だったかチェックする「使用前確認」を行い、問題ないと判断した。
同日午後4時、規制委の事務局を務める原子力規制庁の上田洋・首席原子力専門検査官は「基準に適合していないと判断される点は認められなかった」と述べ、「使用前確認証」を同原発の稲垣武之所長に手渡した。これにより同原発は営業運転に移行した。
稲垣所長は報道陣の取材に応じ、「(営業運転の開始は)あくまでゴールではなくスタートだ。改めて安全最優先で発電所を運営していくという心を新たにした」と気を引き締めた。
同原発は今年1月21日、東電の原発としては2011年の福島第一原発事故後初めて再稼働した。当初は2月26日に営業運転に移行する見込みだったが、核分裂を抑える制御棒の引き抜き中に異常を示す警報が作動したり、発電機からの漏電を示す警報が作動したりするトラブルが断続的に続いた。
東電は再発防止策を講じるなどして3月22日に発送電を再開。同27日にフル稼働の状態になっていた。
柏崎市長「ほっとしている」
新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は16日、東京都内で東京商工会議所の小林健会頭と面会し、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の電気が首都圏で使われることを広く周知するよう要望した。
その後、記者団の取材に応じた桜井市長は、同原発の営業運転再開について、「エネルギー情勢が非常に厳しい中、脱炭素の安定電源である原発の電気を供給できることになり、立地自治体の長として、ほっとしている」と述べた。東電に対しては、「安全、安心を醸成できる原発」とするよう求めた。
稲垣所長「懸念が出たらしっかり判断し対応」
稲垣所長と報道陣の主なやり取りは次の通り。
――率直に今の気持ちは。
「エネルギー情勢が非常に厳しい状況にある中、6号機が動いていることに、やる気を感じている」
――県民からの信頼回復に、今後どう取り組むか。
「不安の気持ちが強いのは実感している。どのような人間が発電所で働いているか知っていただくことが、安心につながると考えている」
――今後も懸念があれば立ち止まる考えか。
「考え方は変わらない。運転継続に支障があるものが出てきた場合は、しっかり判断して対応したい」
