「おっぱい大きいね」タクシー営業所長から胸触られ“うつ病に”…女性運転手が提訴、会社らに約1300万円賠償請求
タクシー会社の営業所長だった男性から繰り返しセクハラを受け、うつ病を発症したとして、ドライバーの女性(37歳)が男性と会社を相手取り、慰謝料など約1300万円の損害賠償を求めて横浜地裁に提訴した。
女性の代理人が4月16日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見を開いて明らかにした。提訴は4月15日付。
代理人によると、この問題をめぐっては、すでに労働基準監督署がセクハラの事実を認め、労災認定しているという。
●「おっぱい大きいね」発言だけでなく胸に触れる行為も
訴状などによると、原告の女性は2020年、第一交通株式会社(本社:東京都足立区)に入社。横浜営業所(横浜市)でタクシードライバーとして働き始めた。
2021年6月ごろから、当時の営業所長だった男性から「おっぱい大きいね」などの言葉によるセクハラを受け始め、2023年7月以降は同僚の前でも胸や身体を触られるなどの被害を繰り返し受けたと主張している。こうした行為は2024年1月まで続いたとされる。
女性は1月20日を最後に就労できなくなり、翌3月には「うつ病」と診断された。
また、被害についてグループ会社の幹部に相談したものの、その後、同年3月末ごろに退職扱いになったとしている。
横浜南労働基準監督署は「2023年夏以降、身体接触を含むセクシュアルハラスメントが複数回行われた」として、心理的負荷の強度を「強」と判断。2024年10月7日付で労災認定している。
●会社側は触ったことは認めつつ「同意あった」と主張か
女性の代理人によると、会社側はその後の交渉の中で、営業所長が胸を触った事実自体は認めたものの、「了解を取った」「意に反するものではなかった」などとして「悪質なセクハラ行為」にあたらないと反論したという。
これに対して、女性側は了解していないと否定している。女性は代理人を通じて、次のようにコメントした。
「私は、抵抗することができませんでした。なぜならば、所長が社員に対して威圧的な態度で臨むことが多く、私としては、所長を怖い上司として恐れていたことから、何も抵抗することができなかったのです」
女性は2人の子どもを育てるシングルマザーで、働けなくなったことから、現在は生活保護を受給している。
原告側は、療養中の解雇を禁じた労働基準法に反するとして、退職無効の確認も求めている。
●会社側の弁護士「プライバシーがあるので答えられない」
会社側の代理人は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、女性が退職扱いになっていると認めたが、セクハラ行為などの有無については「女性のプライバシーに関わることなのでお答えができない」とした。
第一交通は、第一交通産業グループの一社で、女性ドライバーが働きやすい環境を整備した取り組みの事業者として「女性ドライバー応援企業」の認定を受けている。
女性の代理人は同日、この認定の取り消しや調査を求め、国土交通大臣に申入書を提出した。
