「ここがないと困る」常連の愛に支えられ イラン情勢が老舗銭湯を直撃 苦渋の100円値上げ 熊本「たかの湯」
アメリカとイランが合意したとされる停戦は、依然として不透明な状況です。
【写真を見る】「ここがないと困る」常連の愛に支えられ イラン情勢が老舗銭湯を直撃 苦渋の100円値上げ 熊本「たかの湯」
そして、それによる原油価格の高騰は様々なところに影響が出ています。
「ごゆっくりどうぞ~」
熊本市東区の「たかの湯」です。
この場所で約40年続く老舗の銭湯で、生活の一部として毎日利用する常連客がほとんどです。
常連客「ここでお風呂入って、家に帰って一杯飲むというのがルーティン」
銭湯側「毎日来ていただいている」
常連客「昨日もきましたー」
常連客「ここがないと困ります」
老舗の裏側へ…
銭湯の裏側を案内してもらいました。
記者「温かい!これがボイラーなんですね」
たかの湯 髙野勝年さん「ボイラーはこれです」
その湯と水を合わせて温度を調節し、浴槽にためています。
たかの湯 髙野勝年さん「41.4度に設定しています。1日にわずかなお客さんでも、この機械を全部、重油で沸かしたり電気を使ったりして経営している」
ボイラーの燃料として使っているのが重油です。
1日に約180リットル使いますが、イラン情勢の影響が受けているようで…
たかの湯 髙野勝年さん「ここ1か月ほどでびっくりするように値上げの報告をいただきまして」
値上げやむなく
直近では1リットルあたり20円ほど値上がりして、1日に3000円から4000円ほど負担が増える計算に。
重油に加え、サウナを温めるガス代なども値上がりし、経営はギリギリの状況です。
たかの湯 髙野勝年さん「重油は大切な私たちの生命線であって、これだけ燃料が上がると、どうしようも経営が成り立たないということで、4月3日から550円をいただくようにしました」
これまで大人の利用料金は、450円で踏ん張っていましたが、重油の値上がりに耐え切れず、先週ついに100円値上げしました。
ただ、常連客は理解を示します。
――苦渋の決断で値上げされたようですが?
常連客「関係ないよ。もう何年ですかね、ずっと来てるから」
常連客「100円は痛いですね。痛いですけど来ます。ここ好きなので」
周囲からは「燃料をガスに変えたら?」とアドバイスされるそうですが、▽ガスに変えるには数百万規模の設備投資が必要▽どれくらい価格がマイナスになるのか不透明→現状を維持するしかない状況だということです。
銭湯などの一般公衆浴場は、知事が値段を決めていて、2月に大人550円以下と指定されました。
経営はギリギリですが、家族経営のため、なんとかやりくりできているという状況です。
取材した4月9日の数時間の間でも、常連客に旅行の土産をもらったり、「あの人が今日来ないね」と話したり、ただの入浴施設としてではなく地域の交流の場にもなっているようでした。
