【高木美帆さん引退会見】スピードスケートに未練なし「私のスケート人生は幸せだった」引き際は「決断するというより受け入れた」「パッションがなくなっているなと感じていた」
スピードスケート女子で今季限りで現役を引退した高木美帆さんが6日、都内で記者会見を行った。女子最多五輪通算10個のメダル獲得、日本勢初の世界選手権オールラウンド部門優勝など数々の歴史を刻んできたレジェンド。銅メダルを獲得した3月の世界選手権でリンクに別れを告げた。会見には髪をまとめブラウス、パンツスーツを白でそろえ、笑顔を交えて登場した。
高木さんは今年3月に自身のインスタグラムで一線を退く意向を表明した。「引退を決めるにあたって大きな出来事があったり、タイミングがあったわけではない」と大きなきっかけがあったわけではないという。その上で大きな決断の理由には「自分にとってのスピードスケートというものや、アスリートとしてどうありたいかを感じることが2年くらい増えてきたことが大きい。リザルト(結果)が悪くなったりタイムを伸ばすことができないことに対してフラストレーションがたまることもあったが、4年前、8年前のように自分を律して押し上げていくパッションがなくなっているなと感じていた」と近年の苦悩があったと語った。
結果を求めて模索する日々は長かったが、「スピードスケートに対して本気になれていないわけではなく、人生の一部になっていると感じたときに、アスリートとしての時間が減ってきているのであれば、今が退くタイミングなのかなと受け入れていた」。自身が理想としたアスリート像と、実際の滑りにギャップが生まれ「引退することを決断するというより受け入れた」と話した。
現役を退くことを表明し、約1か月が経過。「後悔や後戻りしたいことはない」と競技に未練はないときっぱり答えた。「私のスケート人生は幸せだったと同時にラッキーだった」と姉の菜那さんや、これまで日本のスケート界を築き上げた先輩たちに感謝の言葉も述べた。
高木さんは史上最年少の15歳で10年バンクーバー五輪に初出場。18年平昌五輪では団体追い抜きでの金メダルを含め、3個のメダルを獲得。22年北京五輪では1000メートルでの金メダルを含め、冬季最多1大会4個のメダルを獲得。今年2月のミラノ・コルティナ五輪では3個の銅メダルを手にし、五輪では日本女子最多通算10個のメダルを手にした。18年には世界選手権オールラウンド部門で日本勢初の優勝を果たした。
◆高木 美帆(たかぎ・みほ)1994年5月22日、北海道・幕別町生まれ。31歳。帯広南商、日体大卒。18年世界選手権総合優勝。19年に1500メートルの世界記録樹立。20年全日本選手権で史上初の5種目V。五輪は10年バンクーバー大会に史上最年少15歳で出場。家族は両親と兄、平昌五輪2冠の姉・菜那さん。164センチ。
