4回目の実施となった9月3日(水)は、JRAウインズ新横浜との共催で実施。中央競馬の有料指定席エリアを有効活用した施設は、リモートワークにも最適だ。(C)SOCCER DIGEST

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 職場ではなく、自宅やカフェ、コワーキングスペースなどで業務を行なう「リモートワーク」。ICT(情報通信技術)の進化や新型コロナウイルスの流行などを背景に、働き方改革の一環として拡大している昨今では、出社とリモートワークを組み合わせたスタイルで働いている人も多いのではないだろうか。

 そうしたなか、横浜F・マリノスが試合当日のイベントのひとつとして企画した「リモートワークスペース」の施策が広がりを見せている。

 同イベントは、平日ナイトゲームの集客施策の一環として考案したもの。該当試合当日の観戦チケットを持っている方が対象(アウェーサポーターを含む)で、クラブが用意した特設スペースでキックオフまでの時間を有効活用してもらい、そのまま試合を楽しんでもらいたいというのが目的だ。
 
 取材させてもらったのは、今年4回目の実施となった9月3日の水曜日。ルヴァンカップ準々決勝第1戦の柏レイソル戦の前だ。オフィシャルスポンサーであるJRAウインズ新横浜との共催で、日本中央競馬会 (JRA) の場外勝馬投票券発売所 (WINS) であるウインズ新横浜の7階にある有料指定席エリアを、リモートワークスペースとして活用した。

 ウインズ新横浜は、新横浜駅から日産スタジアムまでの導線上にあり、スタジアムの近くで仕事ができるという点で最適な立地だ。また、各席は個室ではないが仕切りがあり、高級感のある椅子が設置されている。備え付けのパソコンは競馬観戦用のため仕事には使用できないが、Wi-Fiや電源が完備されており、WEB会議なども可能で、業務をするには申し分のない設備だった。

 以前も横浜FMのリモートワークスペースを利用したという男性は「前回はスタジアムの中だったので、すぐに行けて良かったですが、こっち(ウインズ)のほうが仕事に集中できます」と語る。

 同じく複数回の利用だという男性も「設備が充実していて、すごく満足です。平日は仕事をされている方がほとんどだと思うので、取り組みが広がってほしいです。アウェーサポーターの方も利用していると聞きますし、同じJリーグ、サッカー好きとして良い環境です」と絶賛だ。

 また、横浜FMのサポーター歴30年という女性は「とても環境が良くて、椅子もふかふかですし、これを無料で使えるのは嬉しいです。スタジアムの近くで仕事ができるので、試合に憂いなく臨めます!」とコメント。クラブの企画立案に感謝を述べていた。
 
 横浜F・マリノスが初めて施策を実施した5月14日(水)の柏戦と、2回目の同21日(水)のヴィッセル神戸戦は、日産スタジアム内「横浜市スポーツ医科学センター」の特設スペースを無料で提供。定員15名と限られた枠だったが、利用者からは好評だったという。

 そのため、3回目の6月25日(水)のFC東京戦は、日産スタジアム内の少し広めの会議室に場所を移し、定員25名に拡大。1人2000円と有料だったにも関わらず、こちらもすぐに予約が埋まった。

 こうした反響を受け、横浜FMはイベントのさらなるアップデートと価値向上を画策するなか、JRAウインズ新横浜から協働の提案があり、9月3日に共催が実現。スタジアム内ではなく、歩いて10分ほどのビルだったが、設けた170席は申し込み開始後、すぐに満席になった。

 ウインズ新横浜の仲野篤廣所長は「リモートワークスペースとして提供するのは初めてでしたが、すぐに満席になり、反響が大きくて驚きました。場外馬券場というと、どうしても暗いとか、タバコ臭いという昔ながらのネガティブなイメージを持たれがちですが、綺麗で快適という声もいただきました。当施設を体験していただくことで、競馬に接点のない人にも利用してもらえるきっかけになれば」と期待を寄せる。
 
 リモートワークスペースのイベントを企画した横浜FMのマーケティング&コミュニケーション部・運営&コミュニケーション課・運営担当の岩男智也氏も手応えを口にする。

「実施後の利用者からのアンケートを拝見して、ニーズがあったことを実感しました。本企画に関するファン・サポーターによるSNS等での投稿や発信のおかげもあり、徐々に認知も拡大してきていますし、今回はウインズ新横浜様の施設を活用させてもらい、用意できる席数を含め最高の環境を提供できたと思っています。

 今シーズンはもう平日開催の試合がないため、来シーズン以降になりますが、クラブ単独ではなくホームタウンやスポンサーとも協働し、よりアップデートした内容で実施できるよう、取り組みを継続していきたいです」

 Jクラブとスポンサーの協働によるホームタウンでの活動は、日本経済の活性化やビジネス拡大、さらには地域貢献などの点からも重要と言える。今後の展開に注目だ。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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