光岡の最新「“旧車デザイン”スポーツカー」が凄かった! 「ケンメリ風」丸目4灯×6速MT採用! 待望の「市販モデル」は“走り”も懐かしい? カスタムカー「M55」の仕上がりは?

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待望の「旧車デザイン」の最新モデル デキはどう?

 2023年11月、光岡自動車創業55周年を記念したコンセプトカー「M55(エム ダブルファイブ)コンセプト」が発表されました。

 このモデルは主に光岡自動車と同じ55年の人生を歩んだ同世代の方々をターゲットに、若い頃のクルマに対する「憧れ」や「期待」を再び呼び覚まして共感してもらうことを目的に開発されました。

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 元々、市販化の計画はなかったそうですが、市場への反響の多さから市販化を決意したと言います。そして翌2024年11月、市販モデル「M55 ZEROエディション」を発売することが発表されました。今回、そのモデルに試乗することができたので報告したいと思います。

光岡「M55」の仕上がりはいかに?(画像はZero Edition)

 M55のモチーフは「1970年代の国産GT」です。当時の日本車はアメリカの影響を受けたモデルが多かったですが、エクステリアはそんな匂いをプンプンと漂わせます。

 ベース車両はホンダ「シビック」の6速MTモデル(マイナーチェンジ前)で、かつての「ヌエラ(7代目アコードベース)」以来のホンダ車ベースとなります。

 これは筆者(山本シンヤ)の推測ですが、デザイナーはハッチバックながらもリアゲートを寝かしたデザインと、当時人気だったファストバッククーペに共通項を感じたのかなと思います。

 エクステリアはオーバーハングが伸びたフロントマスクは、バンパー全体やボンネットはもちろん、フロントフェンダーも専用品です。

 丸目4灯のヘッドライト、左右のポジションライト、メッキの加飾、ハニカムグリル、下部がツルンとしたバンパー下部などで構成される顔つきは、日産「スカイライン」4代目(通称ケンメリ)が近いような気がしますが、トヨタ「セリカLB」にも見えるような…。

 リアはバンパーに加えて、ハッチゲートにもパーツが追加してオーバーハングを伸ばしています。

 異形のテールランプ、樹脂のガーニッシュ、下部がツルンとしたバンパー下部、ダックテールスポイラー、ウィンドウルーバーなどで構成されるヒップ周りは、初代セリカLBが近いかなと思いつつも、日産「チェリークーペ/チェリーF-IIクーペ」や三菱「ギャランGTO/FTO」にも見えるような…。

 そのスタイルは角度によって様々な顔を見せます。真横から見るとスバル「レオーネクーペ」(初代)のようなアンバランスさがありますが、フロント7〜6:リア3〜4くらいの角度で見ると、前後のバランスが整うような気がしました。

 この辺りは後架装ならではの難しさですが、ベストな角度を見つけるのも面白いかもしれません。

 ちなみに、パッと見ると艶消しっぽくも見える「レジェンダリーグレーメタリック」は第一弾の市販モデル ZEROエディションの専用カラーとなっています。

 エクステリアはここまで手を入れていますが、ベース車に装着される先進運転支援システム「ホンダ センシング」は全て機能。実はこのあたりの適合は、我々の想像よりも大変ですが、ここも抜かりなしです。

 235/40R18サイズのタイヤ(グッドイヤー「イーグルF1アシンメトリック2」)はベース車と同じですが、ホイールはゼロエディションのみの装備となるTAN-EI-SYA製(光岡自動車と同じ富山県の企業)の鍛造アルミホイールを装着しています。

 ただ、筆者の個人的な感想としてはこのエクステリアにはもう少しクラシカルなホイール、例えばワタナベやハヤシレーシングなどが似合うような気がしました。

 インテリアはエクステリアと比べると変更部位は少なめですが、水平基調かつインパネ中央を横断するハニカムパターンで構成されるインパネや、ダイヤル式の空調コントロールなどにより、新しいのに「懐かしい感じ」がエクステリアとマッチしているような気がします。

 ステアリングのバッジに加えて、70年代を感じさせるステッチパターンやハトメ加工が施された本革シートカバー(ブルー/グレー)などが「いい味」を出しています。

 ちなみに試乗車には、ディーラーオプションのカーボンパネルがインパネ/シフト周り/パワーウィンドウスイッチに装着済みでしたが、個人的にはちょっと「今風」すぎるので、木目調やアルミ調(どちらも本物っぽくないやつ)のほうがマッチするような気がしました。

走りも「ちょっと懐かしい」!? 印象は?

 走りに関しては、ベース車のシビックから変更はありません。

 重の隅を突けば、前後オーバーハングが伸びている関係なのか、空力の問題なのかわかりませんが、ステアリングを切ったとき、「フロントの動きが多め&少し鈍いかな?」。

 また鍛造ホイールの影響なのか「足の動きがインチダウンしたみたいに少し軽やかかな?」といった違いを感じました。

 恐らく意図したものではないでしょうが、個人的にはちょっと懐かしいフィーリングがM55のキャラクターに合っているような気もします。

旧車さながらの見た目で最新装備はそのままという「M55」

 さらに改良前の1.5リッターターボエンジンは最新のエンジンにしては過給ラグが大きめなのが気になっていましたが、M55だと「昔のターボに比べれば、これくらいは…ね」と思って納得してしまったり。

 逆に、引っかかりなくスコスコ決まるシフトと軽いクラッチが気になってしまうなど、バランスって難しいなと感じます。

 そろそろ結論にいきましょう。確かに70年代のクルマは魅力的ですが、それを今乗るにはそれなりの覚悟が必要です。

 でも、M55ならその心配はありません。そういう意味では「あの頃のワクワク」と「今のラクラク」を両立させる1台なのかなと思います。

 ちなみに購入者の3分の2は40代以上が占めていますが、20〜30代も想像している以上にいるそうです。

 ZEROエディションは限定100台ですでに完売済みですが、現在第2弾となる「1stエディション」の先行受付を行なわれています。

 ZEROエディションの仕様は6速MTの1.5リッターターボモデルのみの決め打ちでしたが、1stエディションは10色のボディカラーに加えて、パワートレインも1.5ターボ(CVT)と2モーターハイブリッド「e:HEV」からも選択可能。

 ただし、2026年の年間生産予定台数250台に達した時点で受付は一旦終了してしまいますので、「ビビッ」と来たら急いだほうがいいです。