「速い」概念を覆す ロータス・エヴァイヤ (1) AUTOCAR史上最強の2041psハードに迫る
従来の速いという概念を覆す 想定は130台
130年の歴史を持つAUTOCAR史上、最もパワフルな公道モデルへ試乗が叶った。英国工場の閉鎖という情報も聞こえる中、ロータスが5年を費やしたハイパーカー・プロジェクト、タイプ130は遂に完成を迎えた。
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果たして、その速さは桁違い。文面でお伝えできることには限界があるが、従来の速いという概念が覆されたといっても、過言ではないだろう。高額な超高性能EVを世界は受け入れるのか、という疑問は残るとしても。想定する生産数は、130台だという。

ロータス・エヴァイヤ(欧州仕様)
エヴァイヤは、2019年の上海モーターショーで発表された。ジーリー・ホールディングスによる買収から、僅か18か月後に。英国ブランドとしての確固たる地位と、新体制下での巨大な野心の、力強い表明といえた。
設定された目標は、2000馬力。ケーニグセグはハイブリッドのジェメラで2300psをうたい、EVのリマック・ネヴェーラ Rは2138psが主張される。対するロータスは、量産版で目標値を超えてみせた。
有機的な斬新スタイリング 4モーターで2041ps
エヴァイヤのシャシーは、カーボンファイバー製モノコック。イタリアのCPC社が製造し、重さは150kgを切り、衝突に備えたアルミニウム製の構造体が備わる。
エミーラにも通じるスタイリングは、有機的で斬新。空力特性は相当に練られ、前後の大きなエアトンネルでボディサイドの気流を整える。後ろ姿は、巨大なディフューザーとエアアウトレットを縁取るテールライトで、特に印象的だ。

ロータス・エヴァイヤ(欧州仕様)
サスペンションは、前後ともダブルウィッシュボーン式。インボード・ダンパーは、プッシュロッドで動かされる。ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアード社が開発したという、91kWhの駆動用バッテリーは、ドライバー後方に載る。
駆動用モーターは各タイヤへ1基づつ組まれ、リダクションギアとインバーターが内蔵される。単体での出力は510psあり、トルクは43.3kg-m。4基合計での最高出力は、圧巻の2041psと173.4kg-mに達する。
スリムでシンプルなダッシュボード
ガルウイングドアは、サスペンションのリフト機能や可動式リアウイングと同じ、油圧回路で動作し、開閉ボタンはエアインテーク部分。フロントスカートから続くように、カーボン製エアロがサイドに張り出しているから、蹴らないよう気をつけたい。
ドアを開けば、サイドシルは意外なほど薄い。ステアリングコラムが支持され、宙へ浮いているように見えるダッシュボードは、スリムでシンプル。センターコンソールが滑らかに繋がる。コーリン・チャップマン氏の、軽量化や機能性への追求を想起させる。

ロータス・エヴァイヤ(欧州仕様)
フロントガラスを通過した光が、ダッシュボードの隙間をすり抜け、アルミ製ペダルを照らす。バケットシートはカーボン製シェル。パッドは薄いが、座り心地は驚くほど良い。シートベルトはハーネスではなく、一般的な3点式となる。
ステアリングホイールは、レーシングカーのように長方形。コラムレバーはなく、ウインカーやライト、ワイパー、ドライブモードなどは、ボスを取り囲むように並んだスイッチで操作する。露出したカーボンもレーシーだ。
ひたすら走りを楽しむロータス 1065ps/t
バックミラーはデジタル式。ダッシュボード両端と頭上に、モニターが備わる。エヴァイヤは左ハンドルのみで、斜め後方の視界は限定的だから、高速道路の合流などは気を使うだろう。希少なハイパーカーらしいともいえるが。
細身のセンターコンソールには、エアコンとオーディオ用のタッチセンサーが2列に並ぶ。その下端には、スマートフォンとの連携にも対応した、メーター用モニターを操作できるハード・ダイヤル。全体的に、車載機能は直感的に扱える。

ロータス・エヴァイヤ(欧州仕様)
収納は限定的。ドアポケットだけでなく、カップホルダーもない。センターコンソールの小物入れには、財布やスマホ程度しか入らないだろう。前後に荷室はなく、ヘルメット用のくぼみもない。エヴァイヤは、ひたすら走りを楽しむロータスといえる。
車重は、AUTOCARの計測で1906kg。パワーウエイトレシオは1065ps/tで、アストン マーティン・ヴァルキリーの924ps/tを軽く凌駕した。
走りの印象とスペックは、ロータス・エヴァイヤ(2)にて。
