米→日の“逆輸入”戦士、加藤豪将の今 「僕の学歴は高卒」でも…困らなかったセカンドキャリアの選択肢
ブルージェイズの野球運営部門補佐に就任「人間的に加藤豪将を買ってもらった」
昨季限りで現役を引退したプロ野球・元日本ハムの加藤豪将氏は、今季から古巣ブルージェイズの野球運営部門補佐に就任。ヤンキースでドラフト指名され、マイナー生活、メジャーデビュー、そして、NPBで引退という稀有なキャリアを辿った男はMLBのフロントという第二の人生についてカナダ・トロントにある本拠地ロジャース・センターで語ってくれた。
「裏でも同じなんですけれど、何でもやる感じです。チームの役に立っているのかまだわからないんですが、すごくいろいろな勉強をさせていただいております」
ア・リーグ首位ブルージェイズの本拠地ロジャース・センター。加藤氏は監督室に隣接するスタッフルームでアナリストとして作業に没頭していたかと思えば、試合前の練習ではフィールドに飛び出し、内外野の守備のサポート役や、選手やコーチのキャッチボールの相手役も精力的にこなしている。
「僕は学歴的には高卒でしかない。高卒でそこまで仕事を貰えるとは思っていなかった。球団にはプレーヤーとしてではなく、人間的に加藤豪将を買ってもらったんだと思います。契約期間は1年というか……結構(MLBの)フロントあるあるなんですけれど、1年ごとに契約が更新されていく感じなんですよ。サインするまで知りませんでした」
契約内容をこう話してくれた加藤氏。米国生まれでサンディエゴのランチョ・バーナード高を卒業後、13年にヤンキースからドラフト2巡目で選出され、22年にブルージェイズでメジャーデビューするまでマイナーで修行の日々を過ごした。同年ドラフト3位で日本ハムから指名を受け“逆輸入”選手として話題に。NPBでは2シーズンのプレーとなったが、セカンドキャリアの選択肢には困らなかったという。
「引退後は結構いろいろなオファーをいただきました。球団や代理人事務所からアメリカと日本の架け橋となる仕事が来ていましたが、今のところ興味はありませんでした。アナリストとして、一度知らない世界に入りたかった」
ボラス氏の代理人事務所から入社オファーも…目標は「ワールドシリーズ優勝」
レッドソックスの吉田正尚外野手らを顧客に持つスコット・ボラス氏など、様々な代理人事務所からも入社オファーは届いたが、最終的にはMLBで古巣のフロント入りを選んだ。今年のドラフトやトレードデッドラインの選考会議にも参加し、獲得候補の山のような映像をチェック。ジョン・シュナイダー監督からも意見を求められた。ただ、アナリストとして一番の役割は野手に対するデータ提供だという。
「重要なことはコーチや選手にただデータを見せるだけでなく、いかにプレゼンするかなんです。声なのか、グラフなのか、数字を紙にするのか。今の若手選手はデータを紙で見せたら、自分で分析する。スプリンガーは声で言った方が伝わるタイプ。人によって響き方は違うので。でも、選手から具体的にこのデータが欲しいと言ってもらえるので、30球団のアナリストの中で自分としてはすごく楽です」
打撃と守備に関して切り出したデータをいかに活用し、成績向上に繋げてもらえるか、日々取り組んでいる。
「目標はワールドシリーズ優勝です。現役時代と今の自分で一番違うところは、勝ち負けに対するこだわりです。今は白か黒かしかない。選手の時ももちろん勝ちたかったけれど、自分のパフォーマンスもすごく大事だった。プレーしていない時の方がより勝ちたいと願うようになるというのは、自分の中で衝撃的でした」
フロント1年目の目標を笑顔で語った加藤氏。絶好調のチームの勝利に貢献することが、今の生き甲斐だ。
(THE ANSWER編集部)
