日本は「国のカタチ」をどうつくっていくか?【私の雑記帳】
その時、手がけたのが北欧のオーランド諸島の帰属問題解決である。バルト海、ボスニア湾入口の多島海域に位置するオーランドは、長い間、スウェーデンとフィンランドの間で、その帰属を巡って争い、対立が続いてきた。
フィンランドに属するが、住民の大半はスウェーデン人ということもあり、歴史的に長い間揉め続けた。またフィンランドが一時期、帝政ロシアに併合されたこともあり、帰属問題はさらに複雑化。
揉め続ける中、新渡戸稲造は国際連盟事務次長として、裁定を下す。「フィンランドへの帰属を認めるが、その条件として、オーランドの自治権を確約する」というものであった。
こうした揉め事を解決する上で、新渡戸自身、『武士道』精神を発揮したということであろう。
なお、著作『武士道』の英文表記は、『The Soul of Japan』であり、『Bushido』である。
当時のテオドール・ルーズベルト米大統領も、この『武士道』に感銘を受け、息子たちに読ませたという逸話が残っている。基本軸のしっかりした生き方は、国を超えて伝わっていく。
農産物の自給率向上へ
農業の生産性をどう上げるか。また、企業が農業分野に参入する余地はあるのか─。
このことについて、農業問題の専門家、山下一仁さん(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)は「企業が参入すれば生産性が上がるようなことを言う人がいますが、それはないですね」と語る。
「実は農業と工業が何が違うかというと、農業は天候に影響を受けるということです。農業は自然に左右されます。だから、瞬時にその場で稲の状態とか、虫の発生とか、雑草のこととか対処しないと駄目。工場の場合は毎日毎日、平準化した状況下で、モノがつくれます。それと違って、会社みたいな組織で上の判断を仰いでやるというのでは、農業は間に合わない」
漁業では、陸上養殖を含めた養殖事業などで企業参入はあるが、農業では企業の参入は難しいという。
それにしても、日本は農産物の自給率が38%(カロリーベース)と低い。これについて、山下さんは、米の〝減反政策〟が自給率を低下させていると指摘。
日本は、減反政策が始まる前は、麦作りも活発だった。その麦と米の二毛作をやっていた1960年頃は、「耕地利用率、つまり農地をどれだけ使うかという数字は135%。二毛作の時代は200%になり、食料自給上も有効だった」と山下さん。当時の麦の生産は年300万トン。国内の麦の消費をまかなえていたという。
減反を実質的に止めて、米価が下がった場合はどうするか?
「兼業農家の人たちは農地を貸して地代収入を得る。主業農家主体の農業になれば、二毛作が復活する」と山下さん。日本列島は南北に長いという地理的条件を生かして「作期をズラすなど工夫をこらした農業を展開できます」とも言う。改革の余地は随処にある。
