向かうところ敵なしのオフローダー ウニモグUHEへ試乗 理解すれば価格も納得 後編
最大45度まで登坂可能 渡河水深は1.2m
ウニモグは非常に堅牢で、稼働を始めてから40年以上現役という例が少なくない。実に、工場を過去にラインオフした約80%のモデルが、今でも活躍中だとか。それでも同社の技術者は、「40年は40年です」。と語る。機械は徐々に摩耗していく。
【画像】向かうところ敵なし ウニモグUHE Gクラスとグラディエーター、ラングラーも 全115枚
最新のウニモグUHEは、初代から大幅に進化している。例えば、キャビン内からの操作で、それぞれのタイヤへ空気の充填が可能。電子制御されており、1本のタイヤがパンクしても、残りのタイヤの圧力を調整し危険を回避することもできるという。

ウニモグUHE エクストリーム・オフロード(欧州仕様)
通常、UHEのタイヤの空気圧は5barから6bar。沼地など軟弱な地盤では、1.5barまで落とされる。このシステムで、多少の傾斜地なら停車中のボディを水平に保つこともできる。
走破性に重要となる、ボディと路面が接する角度は、フロント・オーバーハング側のアプローチ・アングルで46度。ホイールベース間のブレークオーバーは36度で、リア・オーバーハング側のディパーチャーは50度もある。
渡河水深は、最大1.2mまで。登坂可能な傾斜は最大45度。横方向では、38度まで傾いても横転しないそうだ。
動力源となるエンジンは、5.1Lの4気筒ディーゼルターボ。シャシーの高い位置にあり、その上にキャビンが被さっているため、乗る時はちょっとしたボルダリングになる。
オフロードでは重要な穏やかな特性
UHEのスチール製キャビンは見慣れた印象だが、1990年代からデザインは殆ど変わっていないという。大きな金属加工用の成形型を更新するコストは、ウニモグのような少量生産のモデルの場合、回収が難しいためだ。
キャビンが小ぶりなUGEの方は、複合素材でボディが作られており、金型は安くできる。そのおかげで、スタイリングも新しい。

ウニモグUHE エクストリーム・オフロード(欧州仕様)
ボンネットが大きく傾斜しているおかげで、手前側も目視できる。ミラーは大きく、側方の確認が容易。マグネットで固定されるカメラが各所に装備され、死角の補完を任意でできる。
広い車内空間の前席側には、スプリングで浮いた1人がけのシートが3脚並んでいる。中央の席は、パワートレインを避けるコブの上にあり、居心地はあまり良くない。後席側は、1人がけのシートが4脚据えられる。
大きなステアリングホイールは、トラックのようにほぼ水平。ウインカーとワイパーをまかなうレバーが、ステアリングコラムから伸びている。シフトレバーが右手にあり、ペダルは大きい。
ボディサイズの割に、ウニモグは運転はしやすい。山火事や災害救助などの現場で活躍できるマシンとして、完成している。
人間では踏破できない場所を走る面白さ
ブレーキペダルは軽く踏め、空気圧で制御されるディスクブレーキが強力に制動力を生み出す。アクセルペダルはストロークが長く、ディーゼルエンジンはじんわり反応する。この穏やかな特性が、オフロードでは重要になる。
1100rpmで発生する91.6kg-mものトルクを、繊細に扱える。変速は、通常はウニモグにお任せできる。シリアスなオフロードでは、マニュアルでドライバーが必要なギアを選ぶことも可能だ。

ウニモグUHE エクストリーム・オフロード(欧州仕様)
ボディは重く、幅が455mmというモンスタートラックのような24インチ・タイヤは扁平率が70もあり、乗り心地は抜群。大きな起伏へUHEを進めてみると、ゆったりボディロールを示す。
ステアリングホイールは軽く回せるが、油圧パワーステアリングのおかげで、タイヤと路面の状態がしっかり手のひらへ伝わってくる。泥に足を取られてスリップしたり、大きな岩に引っかかっても、すぐに状況を掴める。
操縦に対する反応は、素直でダイレクト。正確に狙ったラインを辿れ、望ましいギアを選んで崖を登ったり、アイドリング状態で慎重に河川を渡れる。人間の足では踏破できない場所を乗り越えることは、想像以上に面白い。
急な下り坂では、強力なエンジンブレーキが効果を発揮。1400rpmが保たれ、ブレーキペダルを踏む必要性は低い。運転しがいのあるクルマといえる。
お高めの価格も内容を理解すれば納得
新車価格が20万ポンド(約3620万円)を超えると聞いても、その内容を理解すればまったく疑問は抱かない。他のモデルでは目指せない場所まで、人と荷物を容易に運べるという高度な能力を考えれば、選ばれて当然といえる。
なかには、個人的なオフローダーとしてオーダーする人もいるというが、それにも理解できる。こんなクルマは他にない。

ドイツ西部、ガッゲナウにあるウニモグ・ミュージアムの展示車両
ウニモグは、購入プロセスをスムーズに改めたいと考えているそうだ。ディーラーには、コンフィギュレーターも用意されるとのこと。
機会があれば、ドイツ西部、ガッゲナウにあるウニモグ・ミュージアムを訪ねてみてはいかがだろう。我が社や我が家に1台、と希望することになっても責任は負えないが。
