名古屋名物「ういろう」は有名だが、皆さんは食べたことがあるだろうか。

うるち米の米粉に氷砂糖や小豆などを混ぜてほぐし、蒸した和菓子だ。羊かんのように切り分けて食べるのが一般的だが......今、あるアレンジレシピがツイッターで注目を集めている。

これは、作家・名古屋めし料理家のSwindさん(@swind_prv)が2021年9月25日に投稿した写真。いっしょに、ういろうの食べ方をこんなふうに紹介している。

「いいですか、ういろうは焼いてください!
厚めにスライスしたういろうを油を引いて温めたフライパンに乗せて両面こんがりと焼くだけ
表面がパリッとなって中がフワトロもっちもち、まるでフレンチトーストのような超新感覚の『焼きういろう』がマジですごいんです!
バターを乗せたらPerfectです!」

なんと、ういろうをフライパンで焼き、バターをのせると言う。記者には全くなかった発想だが、写真を見ると非常においしそうだ。

リプライ欄には、

「やばっ。めっちゃ美味しそうやないですかー!」
「確かに餅みたいな食べ物だから理にかなってますね...考えた人凄い」
「思いもしなかった!やってみます」

など、感心する声が無数に寄せられている。

Swindさんによると、このアレンジは、1879年に創業し昭和初期に名古屋で「青柳ういろう」の販売を始めた老舗菓子メーカー「青柳総本家」(名古屋市)から教わったもの。

Jタウンネット記者は6日、青柳総本家に話を聞くことにした。

焼くときのコツは?

広報担当者は、今回のアレンジを実は昨年から公式ツイッターで紹介していたと言う。

思いついたきっかけを尋ねると、

「なんとなく、焼いてバターをのせたらおいしいかな?くらいの軽い思いつきでした」

とのこと。

焼くときのコツも教えてくれた。

「油は米油やオリーブ油がおすすめです。かなり多めに、(ういろうを)揚げるくらいの気持ちで使ったほうが、フライパンにういろうがくっついちゃうのを防げます」
「片面が焼ければもう片面もすぐに焼けると思うのですが、最初の面が焼けるまではかなり時間がかかります。目で具合を見ながら、じっと待つのが大切です」(広報担当者)

なお、焼き加減は「やや焼きすぎ」なくらいが、ご飯のお焦げのような風味になりおいしくなるそうだ。

聞いているうちに、だんだん自分でも食べたくなってきた。

そこで、記者もこのういろうアレンジを試してみることに。

料理しない人でも超簡単

使ったのは、「青柳ういろう しろ」(税込み432円)。

2パック入っているので、1パックを袋から出し、3つにカットする。油は多め......ということで、大さじ2杯をフライパンへ投入し、3切れのういろうを並べた。

「やや焼きすぎなくらい」という広報のアドバイスに従い、片面を中火で5分半ほど焼く(油がはねるので注意)。

香ばしい香りがあたりに漂い、しっかり焼き目がついた。

裏返し、さらに中火で3分。両面とも、こんがり焼けた。普段、ほとんど料理をしない記者でもあっという間にできた。

いざ、実食!

しっかり焼けたういろうをお皿にのせて、完成! バターをのせて口に運ぶと......。

サクッとした表面と、ういろう本来の柔らかい食感のコントラストが楽しい。ちょっと焼くだけで、こんなおいしさを堪能できるなんて......!

一方、油をかなり多めに使っているので、バターまでのせると脂っこく感じる人もいるかもしれない。和菓子のさっぱりした甘さが好きな人は、バターなしのほうがおすすめだ。

なお、青柳ういろうは名古屋市内の直営店の他、全国の百貨店や公式オンラインショップでも購入できる。とても簡単なアレンジなので、この週末にでもぜひ試してみてほしい。