「初めてのジムトレーニング」についてを中野氏が指南

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連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」

 忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「初めてのジムトレーニング」について。

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 コロナ禍で宅トレがブームになり、パーソナルジムを利用する人が増えた今年。一時期、利用者がガクンと減ったフィットネスクラブやジムも、徐々にお客さんが戻ってきているようです。また、日本フィットネス産業協会(FIA)は11月、新たなガイドラインを発表。感染予防をさらに徹底し、安全に、そして安心して運動ができるよう、さまざまな対策に取り組んでいます。

 すっかり宅トレが習慣になった、という方がいる一方、「やっぱり家では続かない」「飽きた」「ジムで思い切り体を動かしたい」という人もいるかと思います。そこで、今回はジムトレにチャレンジしたい、ダイエットをしたい、という方に向けて、「初めてのジムトレーニング」をテーマにお話ししましょう。

 実は最近、いろんな方から受ける質問の内容が変わってきたと感じています。以前多かったのは、「どうやったら痩せられますか?」「どうやったらお腹が凹みますか?」「背中の脂肪が落ちますか?」という質問。暗に「これを食べたら落ちるよ」「脂肪を揉んだら落ちるよ」「ビールをやめればお腹は凹むよ」などなど、「あわよくば痩せる」的な回答を求められることが多かったためです。

 ところが最近では、「ジムではどんなトレーニングから始めるといいですか?」という質問を非常によく受けるようになりました。あぁ、ちゃんとトレーニングしないとダメだとわかってきたんだな、筋肉をつけることで、何らかの自分の希望が叶うと思ってくれているのかなと感じられ、すごく嬉しくなります。

 さて、ダイエット目的であれば、ジムに行って最初にやるべきことは、筋肉量の計測。ダイエットを成功させる肝は筋肉量を増やすことです。まずは、体組成計で現在の値を把握しましょう。

筋トレのオススメは「20回できるかできないか程度の負荷で、3セット」

 筋肉を効率よくつける方法は、筋トレしかありません。女性からよく聞かれるのは「ピラティスやヨガではダメですか?」という質問。ピラティスは、もちろん筋トレの要素もありますが、メインは体の動きをよくしたり、コンディションを整えたりすることです。そしてヨガも同様で呼吸法やリラクゼーション効果がメインです。

 もちろん、ヨガ、ピラティス、あるいはストレッチから入るのはダメ、と言っているのではありません。ただ、ダイエットをしたい、筋肉をつけたい、という希望があるのなら、これらに多くの時間を費やすのは、すごく遠回り。せっかくジムで痩せたい、引き締めたいのであれば、筋トレが最も手っ取り早いです。

 次に具体的なトレーニングの方法です。

 初心者はまず、大筋群、体のなかでも大きな筋肉を狙ったトレーニングを行います。部位で言うと、太もも、お尻、背中、胸。筋肉名で言うと、大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋、広背筋、僧帽筋、大胸筋です。トレーニングマシンにはそれぞれ「どこの筋肉を鍛えられるか」が表示されているので、それらをチェックしながら組み合わせてください。

「え? 腹筋はしなくてもいいの?」と必ず聞かれますが、腹筋は比較的小さな筋肉です。痩せるためには、全体の脂肪量を落とし、筋量を上げることが最短コース。腹筋は余力があれば追加する程度で大丈夫です。

 強度やセット数の設定は、全員が同じではありません。ここからの話は、自分に合った回数や重量を決める際の参考にしてください。

 まず、一般的には負荷を「8〜12回繰り返したら、もう1回もできない」程度に設定し、8〜12回×3セット行うのが基準、とされています。しかし、これは初心者にとっては高すぎる強度。ケガにつながる、筋肉を意識して動かせないなどの恐れがあります。

 オススメは「20回できるかできないか程度の負荷で、3セット」。セット間のインターバル(休憩)は30秒〜90秒。時計で正確に測りましょう。「前セットは20回できたのに、次のセットは5回しかできなかった」というときは、休憩を30秒長くとってあげるとよいですよ。

頻度は週2〜3回がベスト、何より重要なことは「習慣化」

 強度は以下のように上げていきます。

「20回×3セットが余裕になる→重さをアップ→途中のセットで20回上げられなくなる→上げられる回数でよいのでセット数を5セットに増やす」。これを繰り返し、再び20回×3セットが楽になったら、重さを上げます。

 トレーニングの頻度ですが、週1で効果を出すのは少々厳しい。週2回、できれば週3回がベスト。最初は1種目につき1週間で10セット前後、最終的には1種目につき週15セット前後を目指します。少々、ハードルが高いように感じるかもしれませんが、30〜40代であればこれぐらいはやってほしい。

 初心者の場合は筋トレを早い段階で慣れて習慣化させることが大切です。まずは1日3セット×週3回で9セットをクリアするあたりを目標にし、最大限の効果を狙いましょう。

 また、マシーンを使う際、まずは重さを何もつけない(もしくは目標の重さの半分ぐらいの負荷)、フォームやシートの位置の確認をしながら20回程度動くといい。これがウォーミングアップになります。

 さらにダイエット効果を上げたい人は、筋トレ後に有酸素運動を行います。トレッドミル、バイク、ステアクライマーなど、種類は好きなものでOK。有酸素運動は筋トレ後に行うと体脂肪の燃焼率もよく、「汗をかけて気持ちがいい」という方もいます。でも、最初から飛ばしすぎてコンスタントに通えなくなっては元も子もありません。体力的に難しいと感じたら、とにかく筋トレをしっかり行うことに集中しましょう。最後はストレッチをして終了です。
 
 そして、何より重要なことは、習慣化することです。そのためには、早朝、昼休み、仕事終わり、夕飯後など、続けやすい「ジムにいくタイミングを決める」ことがもっとも大事になりますよ。(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

長島 恭子
編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

中野ジェームズ修一
1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球の福原愛選手やバドミントンの藤井瑞希選手など、多くのアスリートから絶大な支持を得る。クルム伊達公子選手の現役復帰にも貢献した。2014年からは、青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。主な著書に『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』(大和書房)、『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)などベストセラー多数。