サービスの独自性出しにくいが…日立が特許情報の提供を強化する事情
公報の記載内容は一般社員だけでなく経営者、研究者にとっても難解。その最大の要因は国ごとの用語や概念、分類項目の違い。例えば国によっては、特許で「ウエアラブルデバイス」と言えば「コンタクトレンズ」のことを指す。
「日本では課題や用途、優位性など項目を分けているが、欧米はもちろん中国は申請者によってバラバラ」(公共システム営業統括本部知財ソリューション担当の小野雄一郎主任)と課題を話す。
そこで日立は6月にクラリベイト・アナリティクスと連携。同社は59カ国8400万件の特許を自社で要約している。クラリベイトを利用した場合、ブリヂストンや村田製作所は、知財担当者が一定時間内に読解できる海外特許の件数が約40%増加した。現在の日立とクラリベイトの連携範囲はタイトルと抄録だけだが、今後は企業グループごとの特許データの見える化など連携範囲を拡大したい意向だ。
AIの活用も難解な内容が多い特許の理解促進につながると期待される。日立ではシェアリサーチに概念検索、タグ付け、技術マップの三つの機能を追加。読解や分析に要する時間を短縮できる。「別のソフトウエアを使う必要もない。開発者が自分の目線で探せる」(同知財ソリューション担当の山下信也主任)という。同サービスの使い方やメリットなどを理解してもらう「知財ソリューションセミナー」も19年度は7回(すでに4回開催、18年度は6回)開催する計画だ。
日立は今後3年間でAI機能の追加により新たに100社、クラリベイトとの連携で70社の同サービスの活用を目指す。「日本の研究開発費は18兆円。中国は40兆円、米国は50兆円と差がある。シェアリサーチで自社や他社の特許情報を分析・判断・活用する効率を上げ、企業の競争力強化を支援したい」(小野主任)と話す。
<関連記事>
[https://www.nikkan.co.jp/jm/hitachi-systems{日立のIT子会社が照準を定めた新たなビジネスモデル}]
