「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」 https://tfm-plus.gsj.mobi/news/btmCTxPpMQ.html。今回の漢字は「厄年」「厄除け」の「厄」。何事も始まりが肝心とばかり、お正月から立春にかけて新たな一年をつつがなく過ごすための行事がめじろおし。厄を払う意味をもつしきたりが続きます。

(TOKYO FM「感じて、漢字の世界」2019年2月23日(土)放送より)



「厄」という字は、「がんだれ(厂)」の下に「ふしづくり(卩)」と呼ばれる部首を書きます。

いずれも象形文字ですから、ある様子を「絵」にしてできた漢字。

「がんだれ」はけわしい崖の形を、「ふしづくり」は、ひざまずいている人の形を描いているといいます。

つまり「厄」という字は、崖の下の危ない場所に人がひざまずく様子を表したもの。

そこから「災い」「災難」「不吉な」といった意味をもつ漢字になりました。

三千年以上前に生きていたいにしえの人々にとっての災い。

その本質は多分、今とそう、変わらないものだったはずです。

大地にひざまずくようにして、地道にこつこつ、足元を見つめて生きる私たち。

それでも容赦なく、予想もしない様々な困難が降りかかってきます。

天災、人災、病気やケガ。

崖の上から自分をめがけ、何が転がり落ちてくるかは、神のみぞ知る。

でも、だからこそその神さまに、「厄介なことにならぬよう、どうぞお手柔らかに」と、願いを届けようとするのです。

ではここで、もう一度「厄」という字を感じてみてください。

除夜の鐘を突きお賽銭をあげる初詣、七草がゆにどんど焼き。

季節の変わり目は邪気が入って来やすいので豆をまく。

桃の節句は、人型を自分の身がわりとして穢れを移し、川に流して厄祓いをする風習がもとになっています。

新しい年の訪れとともにすべてをリセットし、心身を清めて運を呼び込もうとしてきた私たち。

冬から春にかけての一連の厄払い行事を経て、日常の暮らしが戻ってきました。

民俗学的に、厄払いの基本は「贈与」といわれています。

それはつまり、誰かに厄をもらっていただく、という考え。

厄年の人が餅撒きをしたり果物や菓子を配ったり、家々をまわって芸を披露し、金品を受け取って、厄をひきとってくれる芸人もいたといいます。

例えば今なら、身近な家族や友人に、ごちそうするのもひとつの手。

楽しい食卓を囲んで笑えば、厄も落ちていくというものです。

調子がどうにも出ないときこそ、周囲への感謝の気持ちを、お忘れなく。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。

その想いを受けとって、感じてみたら……、

ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献

『新選漢和辞典 第八版』(小林信明/編・著 小学館)

『日本人の縁起かつぎと厄払い』(新谷尚紀/著 青春新書インテリジェンス)

3月2日(土)の放送では「蕾」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。



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聴取期限 2019年3月3日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:感じて、漢字の世界

放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット

放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)

パーソナリティ:山根基世

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/