by Sai Praneeth K

誰でも学術論文を読めるようにするため、出版社が有料公開する論文を無料で読めるようにする海賊版サイト「Sci-Hub」を、サーチエンジンやISPがブロックしなければならなくなる可能性が浮上しました。

Judge Recommends ISP and Search Engine Blocking of Sci-Hub in the US - TorrentFreak

https://torrentfreak.com/judge-recommends-isp-search-engine-blocking-sci-hub-us-171003/



海外では多くの論文が出版社経由で公開されており、論文を読むには有料サービスを使う必要があります。これが科学の発展を阻害している、ということで全ての制限を取り払って誰でも論文を読めるようにしたのがSci-Hubです。

4700万件の研究論文を「科学の発展」のためタダで読めるようにしている海賊版サイト「Sci-Hub」 - GIGAZINE



Sci-Hubはカザフスタンの大学院生Alexandra Elbakyan氏によって設立されました。科学へのアクセシビリティを高めようとする試みは科学コミュニティからの賞賛を集める一方で、出版社からの非難の的にもなっています。2017年6月には米国出版社協会との裁判の結果、Elbakyan氏に対して賠償金を支払うこと、およびウェブサイトを閉鎖することが命じられました。しかし、Sci-Hubはこれまでに下された裁判所命令を全て無視しており、サイトのドメインを変更するなどして生きながらえてきています。

学術論文の無料ダウンロードを可能にする「Sci-Hub」が約17億円の賠償金を命じられる - GIGAZINE



そしてアメリカ化学会(ACS)も2017年6月28日にSci-Hubをバージニア州東部地区連邦地方裁判所に提訴。ACSはSci-Hubに対し、ACSに著作権があるコンテンツの違法な配布やACSの商標の違法な使用を即刻中止すること、損害賠償金を支払うこと、正当な対価を支払うことなどを求めました。

Sci-Hubは訴訟について認識していたものの裁判に現れませんでした。そのため、Sci-Hubに対して求められた要求が通り、480万ドル(約5億4000万円)の賠償金の支払いが命じられたほか、インターネットの仲介業者がSci-Hubに対して何らかの措置を行うことも求められました。

この際に、John Anderson判事は、この措置としてサーチエンジンやISP、ドメイン登録業者などに対してSci-Hubのドメイン名をブロックするという内容を推奨しました。ドメイン名に関しては過去の裁判でも同様の命令が下されていましたが、Sci-Hubはドメイン名を変更することで、この措置をかいくぐってきました。一方で、サーチエンジンやISPに特定のウェブサイトのブロックを求めるような措置はアメリカで初めてだそうです。



by Chris Potter

アメリカ地方裁判所が判事の推奨した内容を認めれば、インターネットプロバイダはSci-Hubにアクセスするユーザーをブロックすることになる可能性があります。Sci-Hub自体はISPからブロックされないTorバージョンのウェブサイトを複数持っており、科学者はこれからもサイトにアクセスできるものの、インターネットサービスを提供する企業の多くはこのような裁判所命令に巻き込まれるのを避けたがるため、何らかの反応を示す可能性があるとTorrentFreakは見ています。