「手の言語学」[著]松田俊介たとえば、「彼はドアを開けた」という文章。これを日本手話(主にろう者が用いる言語の一種)に翻訳しようとすると、ある意味で訳し過ぎないといけなくなる。なぜなら、元の文では明示されていない「どうやって開けたのか」という動作の部分を、手話ではジェスチャーのような仕方で表現する必要があるからだ。押す、引く、等々、何らかの動作をひとつ選ばなければならないという「縛り」がかかる