ハメス獲得のレアル。豪華すぎる中盤の放出候補は?
昨シーズンは悲願の10度目のチャンピオンズリーグ獲得と国王杯の2冠を達成したレアル・マドリード。モウリーニョ、アンチェロッティという指揮官の下でチームは完成度を高めてきたが、今夏もドイツ代表MFトニ・クロース、コロンビア代表MFハメス・ロドリゲスを獲得し、さらにはコスタリカ代表GKケイラー・ナバス、コロンビア代表FWファルカオの獲得が噂されるなど、貪欲にチーム力アップを目指している。
「W杯が終わるまでは補強に関しては加入も放出もない。大事なのは今いる選手たちだ」と、アンチェロッティ監督は話していた。その言葉通りに、W杯が終了するやいなや、レアルはブラジルでその名を世界に知らしめたコロンビア代表ハメス・ロドリゲスを違約金8000万ユーロ(約112億円)で獲得、周囲の期待通りに移籍市場の主役となった。一方で下部組織出身のFWアルバロ・モラタをユベントスに、ブラジル人MFカゼミーロをポルトに放出するなど、夏の話題をさらっている。
レアル・マドリードのチーム状況から言えば、補強が一番に必要なのはベンゼマしかいないCFのはずだ。だが、これまで獲得が発表されているのはMFの二人。中盤、特に攻撃的MFは完全なオーバーブッキング状態だ。とはいえ、昨冬からチーム退団を希望していると言われるディ・マリア、来シーズンで契約が切れるケディラの2人がチームを去る可能性が高いことを考えれば、辻褄が合うといえば合うのだ。
個人的な意見を述べれば、昨季、左サイドの低めのポジションで活躍したディ・マリアは残留させるべきだと思う。このアルゼンチン代表の中軸選手が満足するだけの金額を提示し、残留をさせた方が、経済的にも安上がりだし、チームとして安定感をキープすることができる。
だが、残念ながらディ・マリアはレアル・マドリードの中ではチームの"顔"となれる選手ではない。売り時の今、クラブは代わりになる選手が獲得できたことから放出もやむなしという考えになっている。サポーターも、もしPSGが噂通りに8000万ユーロというオファーを提示するなら、放出に賛成するだろう。
現在、ディ・マリアとともにチーム退団の噂が尽きない選手の一人がイスコだ。昨季、鳴り物入りでレアル・マドリード入りを果たしたスペイン人MFだが、システムの問題などから自他ともに満足できるようなパフォーマンスを見せることができなかった。ハメスの加入は彼から出場機会を奪うものであり、押し出されるトコロテンのようにチームを去る可能性があることは否定できない。
実際、イスコには、マラガ時代の恩師であるペジェグリーニが監督を務めるマンチェスター・シティや本田圭佑が所属するACミランが興味を示していると言われている。
だが、イスコにとって今回の逆境はプラスに働く可能性もある。ハメスやクロースの適性から考えると、中盤の形は昨シーズンの逆三角形の形から、三角形の形になる可能性が高い。新しいリーグはどの選手にとっても適応が難しいものであり、ハメスとイスコの併用は十分に考えられる。そこで結果を残せば、イスコが定位置を獲得することもないとはいえないし、長いシーズンの中で必ずチャンスは与えられるはずだ。
移籍市場が閉まるときにどのようなメンバーが残っているかは、現段階ではわからない。オーバーブッキングのように感じられるレアル・マドリードの中盤のメンバー構成だが、最終的にはもう少しスッキリとした形になっているに違いない。
山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi

