どんなに頑張っても、出版社は電子書籍の価格を防衛できない
これが電子書籍時代における、出版社の最大のライバルになりうる。
●脅威は出版の枠組みの外からやってくる
出版社は価格決定権を保持することに固執しているが、電子書籍の最大のリスクはそこではない。
結局のところ、出版社の最大の敵は、同業者でもAmazonでも違法コピーでもない。
真に恐れるべきは、失うものもなく、利益も必要なく、面白いコンテンツを作れるプレイヤーが出版業界の外には存在する・・・ということだ。そして彼らには出版の慣習も、仁義も、同調圧力も意味を持たない。彼らこそが電子出版の最大の驚異だ。
売り上げを必要としない彼らが、書籍としての利益を無視したダンピングで、ランキング上位に参入するようになったら・・・はたして出版社は価格の維持をし続けることはできるのだろうか? 価格決定権は、みなが足並みを揃えなければ意味をなさない。
上位100の本の数十パーセントが100円の本になっても、それでも出版社は価格を防衛しきれるのだろうか?
スマホのアプリ/ゲーム業界では切り売りは力を失い、囲い込み課金が主流となった。音楽業界も販売からコンサートや興行へと模索を始めている。 映像も今や定額課金だ。電子化によって生産複製流通コストが0に近づくなか、出版社だけが例外的に価格維持を可能とするロジックを、僕は見つける事ができない。
●<追記>
「クックパッド本が30〜60万部が現実的でない」というツッコミへの補足。 試算では10冊だすので、1冊のノルマは3〜6万部になる。クックパッドの月ビジターは約800万人。 この場合、月コンバージョン率が0.00375%あれば、1ヶ月で3万部は達成できる。コンバージョン0.003%という数字は、普通のブログのサイドバーにアフィリエイト貼るだけでクリアできる数字だ。つまりKindleの市場規模が十分に成熟すれば、クックパッドからのトラフィックで簡単に達成できる数字と考えて問題ない。(出版で30万部が難しいのは、初版部数と露出機会の少なさが原因だろう。一冊の本に対して提供される露出が少なすぎるのだ。もし自前トラフィックを持つプレイヤーが、需要のあるコンテンツに十分な露出を与える事ができるならば、(そして市場規模が十分に成長すれば)電子書籍ならばなんの問題もない数字ではないかと考えられる。)
●<追記>
個人的には @t_traceさん*2のGeneMapper*3のように、個人出版でKoboのランキングトップ入りした本の存在。こういう本が、Kindle端末発売日に100円アタック & プレス会社で一斉爆撃したらどうなるか、興味深々。
*2:Twitter:@t_trace
https://twitter.com/t_trace
*3:GeneMapper
http://www.amazon.co.jp/Gene-Mapper-Japanese-Edition-ebook/dp/B008KSN2F4/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1351099966&sr=8-1
執筆: この記事は深津 貴之さんのブログ『fladdict』からご寄稿いただきました。
●脅威は出版の枠組みの外からやってくる
出版社は価格決定権を保持することに固執しているが、電子書籍の最大のリスクはそこではない。
結局のところ、出版社の最大の敵は、同業者でもAmazonでも違法コピーでもない。
真に恐れるべきは、失うものもなく、利益も必要なく、面白いコンテンツを作れるプレイヤーが出版業界の外には存在する・・・ということだ。そして彼らには出版の慣習も、仁義も、同調圧力も意味を持たない。彼らこそが電子出版の最大の驚異だ。
上位100の本の数十パーセントが100円の本になっても、それでも出版社は価格を防衛しきれるのだろうか?
スマホのアプリ/ゲーム業界では切り売りは力を失い、囲い込み課金が主流となった。音楽業界も販売からコンサートや興行へと模索を始めている。 映像も今や定額課金だ。電子化によって生産複製流通コストが0に近づくなか、出版社だけが例外的に価格維持を可能とするロジックを、僕は見つける事ができない。
●<追記>
「クックパッド本が30〜60万部が現実的でない」というツッコミへの補足。 試算では10冊だすので、1冊のノルマは3〜6万部になる。クックパッドの月ビジターは約800万人。 この場合、月コンバージョン率が0.00375%あれば、1ヶ月で3万部は達成できる。コンバージョン0.003%という数字は、普通のブログのサイドバーにアフィリエイト貼るだけでクリアできる数字だ。つまりKindleの市場規模が十分に成熟すれば、クックパッドからのトラフィックで簡単に達成できる数字と考えて問題ない。(出版で30万部が難しいのは、初版部数と露出機会の少なさが原因だろう。一冊の本に対して提供される露出が少なすぎるのだ。もし自前トラフィックを持つプレイヤーが、需要のあるコンテンツに十分な露出を与える事ができるならば、(そして市場規模が十分に成長すれば)電子書籍ならばなんの問題もない数字ではないかと考えられる。)
●<追記>
個人的には @t_traceさん*2のGeneMapper*3のように、個人出版でKoboのランキングトップ入りした本の存在。こういう本が、Kindle端末発売日に100円アタック & プレス会社で一斉爆撃したらどうなるか、興味深々。
*2:Twitter:@t_trace
https://twitter.com/t_trace
*3:GeneMapper
http://www.amazon.co.jp/Gene-Mapper-Japanese-Edition-ebook/dp/B008KSN2F4/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1351099966&sr=8-1
執筆: この記事は深津 貴之さんのブログ『fladdict』からご寄稿いただきました。
