まもなく、20兆円のリターンまで手にする可能性が…テック時代に世界に君臨した「グーグル新帝国」のヤバすぎる実像

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テック界に君臨する「グーグル」

グーグルの株価が急騰しています。その背景にあるのは、生成AIブームだけではありません。

前編『時価総額780兆円って…!グーグルの天才的「買収術」のヤバすぎる実力』では、アンドロイド、YouTube、ディープマインド、ダブルクリック、キーホールなどへの投資が、検索、広告、地図、生成AIといった現在のグーグルを支える中核インフラとなっていった過程を見てきました。

グーグルはこの20年間、単なる検索企業ではなく、「未来のテクノロジー基盤」を先回りして買収・投資し続けることで、世界最大級のテック帝国を築いてきたのです。

ただし、グーグルの真価はここからです。

グーグルはもはや、自社サービスを拡大するだけの企業ではありません。生成AI宇宙開発、半導体、クラウド――次世代産業そのものに資本を投下し、テック業界全体を“生態系”として支配する段階に入りつつあるのです。

外部投資のリターンでも世界一

ここまで、企業買収におけるグーグルの成功事例について列挙してきましたが、内部に取り込むわけではない外部投資においてもグーグルは巨額のリターンをあげています。

そして今、グーグルは単なるIT企業ではなく、「次世代産業に出資する巨大投資会社」としての側面を急速に強めています。その外部投資が、今年立て続けに実を結ぼうとしているのです。

最初の事例は、生成AIアプリの開発大手であるアンソロピックへの投資です。

アンソロピックはChatGPTを開発したオープンAI社の創業メンバーの何人かが同社を辞めて始めた企業で、当初はオープンAIを追いかける立場にありました。

しかし、主に個人ユーザが中心だったオープンAIに対して、アンソロピックはコーディングの自動化など法人需要の取り込みにおいて先行し、ついに26年5月には9000億ドル(約140兆円)とオープンAIの直近の評価額である8500億ドル(約130兆円)を逆転して、世界最大の生成AIサービス企業となったと見られています。

単価の高い法人向けサービスが中心であることで、収益性でもアンソロピックはオープンAIをリードしていて、今年中に1兆ドル(約160兆円)を超える時価総額でIPO(新規上場)すると見られています。

グーグルは3年前からアンソロピックに対してトータルで約3兆円を投じてきましたが、現時点で含み益は20兆円となっており、予定通りに早期にIPOして公開企業となればこの巨額の含み益を実現することも可能となっています。

アンソロピック社はグーグルのクラウドサービスであるGCPの大規模顧客ですし、グーグルが自社で開発しているAIの推論に特化した半導体であるTPUの巨額の購入を表明しているなど、事業上のシナジーもありますが、単純な外部投資としてもトップクラスのVC(ベンチャーキャピタル)顔負けの見事な投資実績です。

視野に入った「スペースX」の20兆円リターン

さらに、これを上回る倍率のリターンとなりそうなのが、イーロン・マスク率いる世界最大の民間宇宙開発企業であるスペースX社への投資です。

イーロン・マスクとグーグルの創業者であるラリー・ペイジがかつて親密であったこともあり、グーグルは10年以上前に当時はまだ赤字であったスペースX社に対して、当時のレートで換算して約1000億円を投じて約10%の持ち分を獲得しました。

その後に、スペースX社は順調に成長し、宇宙開発の分野で、今ではどの政府機関やほかの企業を凌駕しています。さらには、今年に入ってスペースX社はこちらもイーロン・マスクが創業した生成AIサービス企業であるxAI社と統合して、最大で約2兆ドル(約320兆円)というかつてない規模の上場を、早ければ今年の中ごろに果たすと見られています。

スペースX社はゆくゆく宇宙空間におけるデータセンター事業の展開も見込んでいますが、いまのところグーグルのビジネスとは直接的なかかわりはあまりありません。グーグルとしては珍しい純粋な外部投資として、こちらも20兆円以上という巨額のリターンが視野に入っています。

完成した「グーグル帝国」

日本ではソフトバンクグループが事業を営みながらテック企業を中心とした外部投資を積極的に行い、過去にアリババやアームといった投資で10兆円単位のリターンをあげてきましたが、グーグルは本業での規模だけでなく、企業買収や外部投資の面でもソフトバンクをはるかに上回るリターンを誇っています。

30年前、グーグルは「検索を速くする会社」に過ぎませんでした。

しかし今や、検索、広告、動画、地図、生成AI、クラウド、半導体、宇宙開発にまで影響力を広げています。

さらに、企業買収や外部投資を通じて、次世代テクノロジーそのものの成長を取り込む構造を築き上げました。同時に、投資先企業の創業者や技術者たちに莫大な富をもたらし、テック業界全体の“重力源”として機能しているのです。

グーグルはもはや、単なるIT企業ではありません。テック業界の生態系そのものに君臨する、「新しい帝国」になろうとしているのです。

さらに連載記事『トヨタの5倍って、そんなのあり…!? イーロン・マスクが仕掛ける超ビッグIPO「時価総額320兆円」の驚愕のカラクリ』でも、私が目にした世界の最新動向を紹介しているので、ぜひ参考になさってください。

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