ワインボトルの底のへこみ、ワインの味とは関係ない
ワインボトルの底がへこんでいると、高級ワインって感じがしませんか?
レストランでソムリエがボトルの底に指をかけて、片手でスッと注いでくれる姿を見ているからかもしれません。ソムリエがいるレストランって、ちょっと特別なお店という印象があるから、なんとなく「底のへこみ=高級ワイン」というイメージがあるんです。
でも、あのへこみは高級ワインの印ではないんですって。
IFLSが紹介しています。
ボトル底のへこみは「高級ワインの証」ではない
ワインボトルの底にあるへこみは「パント」と呼ばれます。
ソムリエでWaitroseのワインスペシャリストであるステファン・サンチェス氏は、Good Housekeepingに対し、パントは生産者の選択であり、ワインの品質には影響しないと説明しています。
長期熟成を前提にした上質なボルドーのようなワインならこのタイプのボトルを使う意味はあります。でも、発売から1年以内に飲まれるロゼのようなワインにまで、必ず必要なものではありません。
へこみは安定性のため
では、なぜパントが生まれたのか。
有力な説明のひとつは、昔のボトル作りにあります。かつてワインボトルは、ガラス職人が吹きガラスで作っていました。底を完全に平らにするのは難しく、ボトルがまっすぐ立ちにくいこともありました。
そこで底にへこみを作ることで、ボトルを安定させ、割れにくくしていたと考えられています。
ただし、現代のボトルはずっと丈夫です。ほとんどが機械で作られ、形も強度も安定しています。通常のワインボトルにおいて、パントはもはや必須の構造ではありません。
スパークリングワインのボトルはへこみが必要
とはいえ、パントが完全に無意味になったわけではありません。
スパークリングワインのボトルでは、いまも大事な役割があります。シャンパンなどの発泡性ワインは、ボトルの中に炭酸ガスによる圧力がかかっています。その圧力をうまく分散させるために、底のへこみが役立つのです。
一方、発泡していない普通のワインでは、パントは伝統やデザイン、生産者の好みによって残っている部分が大きいようです。沈殿物を集めやすいという説明もありますが、それを強く裏づける科学的な検証は多くありません。
つまり、あのへこみは「高級ワインのしるし」ではなく、ワインボトルの歴史の名残なんです。
昔は安定のため。いまは伝統のため。そしてスパークリングワインでは、圧力に耐えるため。
次にワインボトルを目にしたら、底を確認してみてはいかがでしょうか。
Source: IFLS

