MetaやOpenAIが独自のAIチップを開発しており、Anthropicも独自のAIチップを開発していることが報じられています。新たに、イーロン・マスク氏が率いるSpaceXもAIのために独自のGPU製造に取り組もうとしていることが、ロイターの報道により明らかになりました。

Exclusive: SpaceX targets in-house GPUs as it warns investors of chip supply, costs | Reuters

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/spacex-targets-in-house-gpus-it-warns-investors-chip-supply-costs-2026-04-23/



SpaceX says it is going to begin manufacturing GPUs - $1.75 trillion IPO listing reportedly includes in-house GPU production | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/tech-industry/artificial-intelligence/spacex-says-it-is-going-to-begin-manufacturing-gpus-usd1-75-trillion-ipo-listing-reportedly-includes-in-house-gpu-production

Elon Musk's aerospace and AI company reportedly plans to make its own GPUs, though I doubt you'll one day be enjoying a SpaceX graphics card in your rig | PC Gamer

https://www.pcgamer.com/hardware/graphics-cards/elon-musks-aerospace-and-ai-company-plans-to-make-its-own-gpus-though-i-doubt-youll-one-day-be-enjoying-a-spacex-graphics-card-in-your-rig/

SpaceXは2026年夏に1兆7500億ドル(約280兆円)規模のIPO(新規株式公開)を予定しています。IPOを目前に控えたSpaceXは、AIやその他技術の開発に向けた大規模な支出計画を投資家候補に通達している模様。

アメリカではIPOを行う前に、上場リスクや財務情報をアメリカ証券取引委員会に開示するために「Form S-1」と呼ばれる書類を提出する必要があります。ロイターはSpaceXのForm S-1を入手し、SpaceXが進行中の「多額の設備投資」の一環として「独自GPUの製造」を進めていることを確認しました。

この構想は、SpaceXのAI部門であるxAIとテスラが共同で進める先端AIチップ製造施設「Terafab」に続く動きです。Terafabは、同社の最高経営責任者であるイーロン・マスク氏が主導する、先進的な半導体生産プロジェクト。テスラ、xAI、SpaceXといったマスク氏が経営に関わる企業だけでなく、Intelも参加を表明しています。

Intelがイーロン・マスクのAIチップ開発プロジェクト「Terafab」に参加を表明 - GIGAZINE



マスク氏はTerafabについて、自動車・ヒューマノイドロボット・宇宙ベースのデータセンター向けチップを製造すると説明していますが、どういった種類のAIチップを生産するのか、GPUを含むのかなど、多くの詳細が不明なままです。

AI向けのチップにはさまざまなアプローチがあります。例えば、NVIDIAは主にGPUを手がけており、汎用性が高く幅広いデータ処理に適しています。一方、Googleが開発するTPUは、特定の機能向けに最適化されたチップで、AIモデルの構築やAnthropicのClaudeのようなチャットボットの運用に適したものです。

SpaceXがいつ独自GPUの製造を始めるのか、どこが製造を担うのかなどの詳細は不明となっています。

なお、マスク氏はテスラの2026年第1四半期決算報告会の中で、Terafabが本格稼働する頃にはIntelの次世代14Aプロセスが「かなり成熟しているか、本格投入可能になっているはず」であり、「正しい選択に見えるだろう」と説明しました。

ただし、SpaceXのForm S-1で使われている「GPU」という表現が、一般的なAIプロセッサ全体を指す略称として使われた可能性もあるとロイターは指摘しています。加えて、SpaceXはForm S-1の中で「当社は、多くの直接的なチップ供給業者と長期契約を結んでいません。当社は引き続き、計算用ハードウェアの相当部分を今後もサードパーティーサプライヤーから調達する見込みです。また、Terafabに関する目標を想定期間内に達成できる、あるいはそもそも達成できる保証はありません」と説明しています。

ロイターは「GPUの製造は容易ではありません。業界大手のNVIDIAはGPUの設計を先導してきましたが、業界の多くと同様に製造はTSMCに委託しています。TSMCは、最先端製造プロセスの開発に何千億円もの資金と長い時間を費やしてきました。先端チップでは特殊材料を使い、原子レベルの精度で1000以上の工程を実行する必要があります」と報じ、SpaceXが独自のGPUを製造することに疑問を呈しました。

半導体業界では、製造・パッケージング・テストといった工程を複数の企業で分業するのが一般的です。しかし、マスク氏はTerafabでチップの設計から生産まですべての工程を扱う計画だと説明しています。

なお、SpaceXはForm S-1の中で獲得可能な最大市場規模が最大28兆5000億ドル(4600兆円)に達すると見積もり、宇宙開発だけでなくAI分野でも事業を拡大していく計画を示しています。

Exclusive: SpaceX conquered the stars, now eyes bigger opportunity in AI | Reuters

https://www.reuters.com/world/spacex-conquered-stars-now-eyes-bigger-opportunity-ai-2026-04-23/