スズキ新型「コンパクトSUV」に注目! メーカー初の高性能パワトレ搭載なのに価格は「ヤリスクロス」並み! 斬新ハンドル&シフト装着する「eビターラ」とは!
スズキ新型「コンパクトSUV」に注目!
2025年度(2025年4月〜2026年3月)の国内乗用車市場を振り返ると、電気自動車(BEV)の販売比率は1.9%という結果になりました。
前年度の1.5%からわずかに上昇してはいるものの、同年度にハイブリッド車が全体の51%、つまり過半数に達したことと比較すれば、その差は歴然としています。
【画像】超カッコいい! これがスズキの「新たなコンパクトSUV」です!(30枚以上)
今や日本の新車市場ではハイブリッド車が圧倒的な主流となっており、エンジンを一切搭載しないBEVの普及は、依然として限定的な範囲にとどまっているのが現状です。
BEVの販売が伸び悩む背景には、複数の理由がありますが、その筆頭は日本の需要に合う車種が少ないことでしょう。
BEVで長距離を走ろうとすると、大きな駆動用リチウムイオン電池を搭載することになり、ボディが大きく重くなって価格が上がります。そうなるとBEVに最適な使い方は、街中の移動手段です。
それなのに日本メーカーは、今のところコンパクトなBEVをあまり用意していません。軽自動車なら日産「サクラ」やホンダ「N-ONE e:」など数車種がありますが、選択肢は限られます。
この状況で注目されるのが、2026年1月に発売されたスズキ初の本格BEV「eビターラ」です。
注目される理由はボディサイズで、全長4275mm×全幅は1800mm×全高は1640mmとコンパクト。日産「キックス」やマツダ「CX-3」と同程度です。
カテゴリとしては、日本の道路環境に適した売れ筋になるべきコンパクトSUVですが、このサイズに該当する国産BEVはほとんどありません。
ボディが小さい割に、室内が比較的広いこともeビターラの特徴です。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ少々です。全長が100mm近く長いリーフと比べても、後席の足元空間が広いです。
eビターラは内装も上質で、インパネは部分的に柔らかく仕上げました。水平基調で機能的なデザインですが、ステアリングホイールのデザインは、円形ではなく、直進状態で、上側と下側が平らになる斬新な形状となっており、ユーザーによって好みが分かれるでしょう。
多彩な情報を表示する大型の10.25インチ・メーターディスプレイの視認性を確保して、なおかつステアリングホイールのスポークにも運転支援機能などのスイッチを配置したので、横幅が広がりました。
それでもなお、ステアリングホイールの形状を丸型にすると、サイズが大きすぎるために上側と下側を平らにしました。
シフトの切り替えは、ダイヤル式のスイッチで操作します。右に回すと前進、左に回すと後退ですが、前後に動かすレバー式に比べて慣れないと操作に戸惑うこともあるでしょう。購入時には、販売店の試乗車で、ステアリングホイールとシフトスイッチの操作性を確認しましょう。
高性能パワトレ搭載なのに価格は「ヤリスクロス」並み!
eビターラのグレード構成は、ベーシックな「X」(2WDのみ)と上級の「Z」(2WDと4WD)です。Xの駆動用リチウムイオン電池は、総電力量が49kWhで、1回の充電によりWLTCモードで433kmを走行できます。Zの駆動用リチウムイオン電池は61kWhで、1回の充電により2WDは520km、4WDは472kmを走行できます。
動力性能はベーシックなX・2WDでも不満はありません。最高出力は106kW(144馬力)、最大トルクは193Nm(19.7kg-m)です。モーターの特性として、アクセルペダルを踏み込むと駆動力が即座に高まり、運転しやすく感じます。

足まわりは少し硬めの設定です。そのために乗り心地も、特に低速域では路上の細かなデコボコを伝えやすいと感じる人がいるかもしれません。
一方で、ステアリング操作に対する反応は適度に機敏で、車両は進行方向を正確に変えます。下り坂のカーブを曲がる時は、後輪の接地性が高く、危険を避ける時でも挙動を乱しにくいです。
価格(消費税込)は、X・2WDが399万3000円で、Z・2WDは448万8000円です。Zは駆動用リチウムイオン電池の拡大に加えて、運転席の電動調節機能、プレミアムサウンドシステム、ガラスルーフなども標準装着するため、価格がXよりも49万5000円高いです。
Zに追加装着されるこれらの装備は、必要不可欠な内容ではないため、買い得グレードは価格を抑えたX・2WDでしょう。
eビターラの購入に際して、国から交付される補助金は全グレードが98万円です。そうなると安価なX・2WDは、価格の割に受け取れる補助金額が多く、補助金額を引いた実質価格は301万3000円です。
このeビターラX・2WDの実質価格は、ほぼ同じサイズのボディにハイブリッドのe-POWERを搭載するコンパクトSUVの日産キックスX(308万3300円)、トヨタ「ヤリスクロス ハイブリッドZ」(299万円)などに近いです。
つまりeビターラは、ハイブリッドの感覚で購入できる割安なBEVといえそうです。
それなのに1か月の売れ行きは、多い時でも180台程度に留まります。販売店では「eビターラは、お客様からの問い合わせが少なく、購入する方もスズキの関係者が目立ちます」といいます。
スズキの場合、国内販売総数の約80%が軽自動車で占められ、小型車は残りの約20%と少数派です。しかもBEVで、全幅が1800mmの3ナンバー車とeビターラを、スズキが即座に大量に売るのは困難です。
それでも国内販売を諦めず、売り続けることが大切です。前述のようにeビターラは、日本の道路環境に合ったお買い得なBEVですから、少しずつ、確実に売れ行きを増やしていくでしょう。
