高市早苗氏の公式Xより

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高市早苗首相の政権運営に批判的なデモが活発化している。新聞報道によれば、国会周辺には2月下旬に約4000人、3月中旬は約8000人、同下旬は約2万4000人が集まり、規模は拡大傾向にある。

8日夜には「平和憲法を守るための緊急アクション」が国会前で開かれた。約3万人(主催者発表)が参加し、米・イスラエルによるイランへの軍事攻撃や、改憲に意欲を示す高市政権に抗議した。オンラインでも約7万人(同)が視聴したとされる。また、これに連帯し、全国約150カ所でも、反戦や平和を訴える抗議集会が開かれた。

デモの様子を動画付きで伝えるSNSも多数見られた。

「国会議事堂前のデモ正面の場所ではなくて、これはずっと離れた桜田門駅前からの映像なんですがすごくないですか。人が多すぎて近づけなくて国会を囲んでいます。どこにいても『戦争反対』『改憲反対』『高市総理はいますぐやめろ』『自民も維新も憲法守れ』のコールが聞こえます」

また、「テレビではやらないだろうけど。若い方々が毎日たくさん集まり盛り上がってますね!」のように、デモの様子を報道しない日本のテレビ局をやゆする投稿も多い。

今回に限らず、日本のテレビは「デモが起きていること自体」をストレートニュースとして扱うのはまれだ。「世論の動向」として抽象的にまとめることはあるが、「政治的公平性」が建前になっている以上、デモの背景にある政治的な主張は取り上げにくいわけだ。

とくに高市氏は過去に放送法に関連する発言で注目を集めたこともあり、テレビ局側が政権との摩擦を避けようとする思惑が働いても不思議ではない。

アメリカでは、大規模デモと報道

米CNNが8日に現場から「異例の大規模デモ」と報道していただけに、日本のテレビがほとんど報じないことに情報ギャップ(温度差)を感じるユーザーが多いようだ。なお、X(旧Twitter)では15日午前中も「#高市やめろ」がトレンド入りするなど、断続的に抗議デモの様子が伝えられている。そして、19日14:00~にも国会正門前で抗議集会を行うという。

メディアによってばらつきはあるものの、60%前後と高市政権はいまだ高い支持率を維持している。SNSへの投稿を見ると、熱狂的な高市支持者の目には、デモに参加しているのが一部の少数派に過ぎないと映るのも無理のないところだ。

しかし、2月の選挙戦で「憲法改正」はまったくテーマにはならず、「消費税ゼロ」など、国民生活に直接関わる分かりやすい政策が支持されたと見るべきだ。ましてや米・イスラエルによるイランへの攻撃が始まったのは2月28日であり、2月の総選挙で勝利したからといって、すべての政策に白紙委任されたと考えるべきではない。

文/横山渉 内外タイムス