【中継】石川・白山市の地すべり発生から1か月 避難続くも本格復旧見通し立たず
3月10日に石川県白山市の鳥越地区の山で発生した大規模な地すべりから1か月です。現在も多くの人が避難生活を余儀なくされ、本格復旧の見通しも立っていません。現地から市川キャスターです。
市川 栞 キャスター:
石川県白山市河合町の現場付近にいます。川を挟んで安全な場所からお伝えします。
後ろの山肌があらわになった場所が地すべりの現場です。大型の土のうで崩落を防いでいますが、1か月経った今も災害の爪痕が生々しく残っていて、10日のように雨が降るとさらに崩れないか不安に感じます。暗くなるとバルーンライトで照らして、山に変化がないかなどを監視しています。
3月10日、石川県白山市河合町の山すそに緊張が走った。
河合 紗花 記者:
「この先にあるガケで土砂崩れが発生したということで、こちらの道路は通行止めになっています」
近くの住民:
「ミシッ、 ミシッって聞こえるんです。すごい怖かった」
午前7時40分ごろ、山の斜面が幅約100メートル、高さ200メートルにわたって崩壊。約3000立法メートルの土砂が塊で動き、山の下にある高齢者施設や飲食店に迫った。
白山市は現場周辺に避難指示を出し、施設の入居者ら約80人が公民館などで夜を明かす事態となった。
専門家によると、山が動いた原因は急激に進んだ”雪融け”だ。
金沢工業大学・川村 國夫 特任教授:
「2月の中旬くらいからザーっと(雪が)解けだしてしている状況。積雪深がゼロになった時はだいたい3月8日ぐらい。(地すべりが発生した)3月10日ちょと前ぐらいの時に雪がなくなった。解け方が非常に早いということもあって、地下水になってどんどん山を押し上げていって非常に不安定化したと」
また、この場所は、2022年8月の豪雨でも一部の斜面が崩壊していて、元々、脆弱だったとみられている。
発生から1か月。
市川キャスター:
「こちら改めて見てみるとかなり大規模にわたって崩れてしまっていて本当に大きな被害だったなって改めて思いますね」
現場は今も立ち入りが規制され、高齢者施設の入居者らは、石川県内19か所の施設などに分かれて避難生活を続けている。
高齢者施設を運営する鳥越福祉会の代表は不安を募らせる。
市川キャスター:
「 1か月にわたる長い時間だと思いますが、別の場所に移った皆さんの反応は?」
鳥越福祉会・玄田 昇平 理事長:
「私たち以上にストレスを感じていると思うです。家族も非常に心配しているので、1か月、皆さんやってくれているものですから、できるだけ早く(県に今後の) 方針を決めてほしいというのが私たちの願いです」
石川県は現在、大型土のうで土砂の崩落を防ぐとともに、地下水を排水する配管の設置といった応急対策を進めているが、本格復旧には年単位の時間がかかる見通しだ。
当面は、梅雨の大雨などによる被害の拡大も懸念される。
金沢工業大学・川村 國夫 特任教授:
「連続雨量で10ミリぐらい降りますと、未だに山が地すべりを起こしているという状況なので、まだまだ安心はできない状況ですし、今度の梅雨でまとまった雨が降るとなると、非常に危険性が高まることは考えておかなければならない」
鳥越福祉会・玄田 昇平 理事長:
「ここで運営できるとしたら、それなりのきちんとした(安全の)保証をいただかない限りは、ここでは運営できない。これ(施設)を全体的に対岸に移せるのであれば、それも早く(県が) 結論を出してほしい」
市川キャスター:
地元の方の不安を払拭するため、まずは、方向性を示すことが重要な課題となりそうです。
10日は、白山市の田村市長と石川県の山野知事が懇談し、改めて、県と市で連携して復旧作業を進めていくことを確認しましたが、今後について、山野知事はこう話していました。
石川県・山野 之義 知事:
「不安感を払しょくするためには、できるだけ早い段階で方向性をお示しすることが大切なんだと思っています。まだ、きちんと調査が終わっていない段階で言っても、逆に不安を与えてしまうことになりますので、不安を与えないためには、一定の方向性をきちんと、安心できる状態になってから報告・説明をすることが大事なんだと思っています」
市川キャスター:
早期に方向性を示したいと話していました。すぐに梅雨がやってきます。皆さんが安心して暮らせる方向性が大事だと思います。
一方で、今回、話を伺った鳥越福祉会の方によりと「入所者の方々に、この自然豊かな鳥越地区の風景を見てもらうことが心のケアにもつながっていたので、できればこの場所に戻りたい」ともお話しが聞かれました。
ただ、ここに戻るには安全が保証されることが必要です。その安全がどんな形で担保されるのか、それともここは危険だという判断になるのか、地元の方は一刻も早い判断を待っています。
