なぜ勝てないのか…偉才フェルスタッペンに生じる懸念 絶えぬ“ワガママ言動”に元F1エンジニアたちが警鐘「八つ当たりはやめた方がいい」

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レース中も浮かない表情が悪目立ちするフェルスタッペン(C)Getty Images

電撃的な引退も示唆する態度を見せるフェルスタッペン

 群雄割拠のF1界で異彩を放ってきた天才ドライバーは、キャリアの岐路に立っている。F1の名門レッドブルの絶対的エースであるマックス・フェルスタッペン(オランダ)だ。

 どうにも“歯車”が噛み合わない。今シーズンに王座奪還を期して挑んだフェルスタッペンだったが、第3戦となる日本GP終了時点でドライバーズランキング9位と低迷。トップをひた走るキミ・アントネッリ(メルセデス)とは60ポイント差と大きく水をあけられている状況だ。

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 苦心の理由はずばり、マシンへの適応。今シーズンからF1は、内燃機関(エンジン)と電気モーターの出力比率が「ほぼ50:50」となる新規定を採用。それによって各チームの車は、電気モーターの出力が昨季までの約3倍に増加。見た目ではスペクタル性が増してはいるレースは、さながら“オーバーテイク合戦”の様相を呈するなど従来の走りとは様変わりしている。

 当然、フェルスタッペンも例外に漏れずに影響を受けている。自社開発のパワーユニットが搭載されているマシンに馴染めない28歳は「まるでステロイドを投与したフォーミュラEだ」と憤怒。「ドライビングとは正反対。これは僕がやりたいことではない」「今の僕にとってF1は楽しくない」とも言い切り、電撃的な引退も示唆する態度を見せている。

 ただ、新規則に早々に適応し、競争力を高めているドライバーがいるのも事実。それだけに業界への苛立ちを隠そうとしないフェルスタッペンの言動を「ワガママ」と捉える向きもある。モータースポーツ情報を発信し続けるアメリカ人ジャーナリストであるジョーダン・ビアンキ氏は、自身がホストを務めるポッドキャスト番組『The Teardown』において、「彼は赤ちゃんだよ。子どもじみてるし、文句ばかり言っている」とキッパリ。そして、次のように断じている。

「プロらしく振る舞えと言いたいね。自分の仕事をきちんとこなせばいいんだ。ふてくされるのはやめろ。ルールが気に入らないなら、それはそれでいいんだ。でも、真面目に仕事をしている他の人たちに八つ当たりするのはやめた方がいい」

一連の言動がスタッフ陣との軋轢にも…

 不満ばかりを募らせるフェルスタッペンの態度は、チーム内でも懸念が示されているという。英専門メディア『F1 Oversteer』は「どれほど不満を抱えていようとも、エンジニアたちの機嫌を損ねてはならない」と指摘。一連の言動がスタッフ陣との軋轢に繋がりうるという見解を示した。

 また、元フェラーリのF1エンジニアであるアーネスト・クノールス氏は、蘭専門メディア『Racing News 365』で「チームは、マックスが個人的な不満を抱えていること、そして今のF1が彼のレーススタイルではないことはよく理解していると思う」と前置きした上で、「だが、マックス、君はチームリーダーでもあるんだ。毎週末、1000人以上のスタッツたちの努力を結果へと結びつけるのは、他でもない君だ」と断じた。

「レースのパフォーマンスや結果にフラストレーションが溜まっているのは間違いないし、きっと誰もが理解を示すと思う。だが、毎週末のように『やる気が出ない』『楽しくない』と言われて、1000人のスタッフたち全員が『勝たせたい』と思うだろうか。

 いずれ、ああいう言動は彼にとって不利に働くと思うし、その点をもう少し注意して話す必要があると思う。レッドブルの顔として、チームのモチベーションを維持し、正しい方向に向かって努力しなければならない」

 間違いない試練をフェルスタッペンはどう乗り越えるか。まずは、再開初戦となる5月3日のマイアミGPで、復調の兆しを見出したいところだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]