唐田えりか、4年間諦めずに続けた“課題”が成長に 30代を前に描く理想像「人間として面白い人に」
●初めて感じたプレッシャー『102回目のプロポーズ』主演への葛藤
Netflixドラマ『極悪女王』での体当たり演技も記憶に残る唐田えりかが、「みんなが言う“プレッシャー”というものは多分これなんだな、と初めて実感した」と明かすドラマ『102回目のプロポーズ』(FOD:配信中/フジテレビ:4月1日から毎週水曜23:00〜)。タイトルからも分かる通り、月9ドラマの金字塔『101 回目のプロポーズ』の続編だ。唐田は、前作の最終回で結ばれた矢吹薫(浅野温子)と星野達郎(武田鉄矢)の娘として生まれ、母と同じチェリストの道を歩む星野光役で主演を務める。
『101回目―』の達郎や、今作ではせいや(霜降り明星)の演じる太陽の姿に「時代が変わっても、人に対する思いの形や熱さって、根っこには今も変わらずあると思う」と語った。また、決して諦めない太陽にちなみ、唐田自身の「諦めずに挑戦を続けた」経験を聞くと、俳優業にも役に立っているという、トータルで4年続けたある課題を教えてくれた。

唐田えりか 撮影:蔦野裕
○「色あせないどころか新鮮」名作へのリスペクト
――『101回目のプロポーズ』は、現在28歳の唐田さんが生まれる前に放送された作品です。今回のオファーを受けて、改めて『101回目―』をご覧になったそうですが、どのような感想を持たれましたか?
何も色あせていないというか、逆にすごく新鮮だなと思いました。達郎さんのキャラクターの、あのピュアで真っすぐでくじけない強さ。今の時代には、あそこまでの強さってなかなかないなと。だからこそ、今見ても本当に魅力的に映るドラマだなとすごく思いました。特に、達郎さんと純平さん(江口洋介)の兄弟のシーンが毎話楽しみで。自由だし、見ていて笑っちゃうというか。「ここまでやるの?」みたいなふざけ具合が好きでした。
――名作特集には必ず選ばれるドラマです。続編の主演を務めることへのプレッシャーはいかがでしたか?
これまで、良くも悪くもあまりプレッシャーというものを感じたことがなくて。考えても仕方がないものだって思ってやってきました。でも今回は、1カ月前ぐらいから撮影が近づくにつれてソワソワしてしまって。 「あと1カ月か」とか、「準備不足になってないかな」とか。ふとした時に「あの2人の子ども役なんだな、私で大丈夫かな?」みたいに、不安なことを考えていることの多い自分になっていました。みんなの言う“プレッシャー”というものは多分これなんだな、と初めて実感した感じでした。
――今回に限って、そこまでの重圧を感じた理由は何だったのでしょう。
前作の大きさもそうですし、今回、武田鉄矢さんも光の父役で出てくださる。鈴木おさむさんとのご縁で頂いた作品ということもありました。いろんな要素が重なって、「頑張らなきゃ」と気合いが入っていました。
――今作の企画の鈴木さんは、『極悪女王』で企画・脚本・プロデュースを務められていましたね。今回の主演に際し、ご家族の反応は? 普段から仲良しだというおばあさまには伝えましたか?
伝えました。もちろん祖母も前作『101回目―』を知っているので。でも、実際にまだ今回のドラマは見ていないからか、あまりピンときていないみたいです(笑)。この間、ポスタービジュアルを見せたら「武田鉄矢さん!」と声を上げてました。武田さんと共演するというところが一番の驚きだったみたいです(笑)

○「思いの強さ」を真っすぐに演じたせいや
――さて、前作の頃と今とでは世間一般の恋愛観が大きく異なります。今回、光には大月音(伊藤健太郎)という恋人がいると知っても、愛を伝え続ける太陽もかなり熱い人ですが、この作品の描く「愛の熱さ」や「プロポーズの形」は、唐田さんにどのように映りますか? また同年代の目にはどう映ると思いますか?
時代が変わっても、人に対する思いの形や熱さって、根っこには今も変わらずあると思うんです。ただそれを伝えるまでの過程に、今だといろんな壁を感じる人がいるんじゃないかなと感じます。「こんなこと言ったらどう思われるだろう」「傷つけちゃうかな」とか。現代は伝えるまでにいろいろ考えちゃうことが多いと思うんです。
その中で太陽さんというキャラクターを見た時に、“思いの強さ”を持っているというのは、それだけですごく素敵なことだなって。太陽さんを真っすぐに演じるせいやさんを見ていて、すごく思いました。「当たって砕けろ」ではないですけど、まず「当たる」ということの強さから生まれることって絶対にあると思うので。気遣いももちろん大事ですけど、そういうがむしゃらな人を見た時に、自分と比べて何かを感じる人ってきっといると思います。そういう部分でもすごく勇気を与えてくれるのかなと思います。
●圧倒的量の泣き芝居「寝られないときも」

――光を演じるには、チェリストとしての難しさもあったと思いますが、「泣くシーン」が非常に多い役だとも伺いました。撮影で苦労されている点や、心がけていることはありますか?
泣き芝居は、今までで圧倒的に多いと思います。脚本をもらった段階でも「めっちゃ泣くやん!」って思いました(笑)。前作の浅野温子さんもずっと泣いていらっしゃったので、「まあその娘だし」みたいな思いもありながら(笑)。クランクインから泣き芝居があったんです。「クランクインしてすぐに泣けるかな」と、最初は寝られないときもありました。でも途中からは、あまりの多さに(笑)、そんな心配はせずに現場に行けるようになっていました。
――唐田さんはカメラがご趣味とのこと。今回の現場でも写真を撮られたそうですが、お気に入りの1枚を教えてください。
本編で特に好きなシーンがあって、予告でも少し使われていますが、せいやさんが奥の方からバーっと走ってくるシーン。お芝居しながら、「これっていわゆる名シーンってやつになるんじゃない?」と感じたぐらいでした。せいやさんが飛び切りの笑顔で走ってくるのがすごく素敵で。そのまま撮影の合間に「せいやさん、ちょっと今の感じ、撮っていいですか?」とカメラを向けたら「え?」と言いつつ見せてくれた顔を撮ったんですけど、その写真が一番お気に入りです。めっちゃかわいい、いい笑顔が撮れました。

○4年間続けた課題「全て必要なことだった」
――本作では、何度フラれても立ち上がる太陽の姿が描かれます。唐田さんご自身にも、何度失敗しても諦めずに挑戦を続けた経験はありますか?
10代の時やお仕事を休んでいた時などは、1日1本映画を見ていました。トータルにすると4年ぐらいは「毎日映画を見る」生活をやっていたので、それは自分的には「よく見たなあ」と思いますね。
――立ち上がるための「インプット」だという意識もあったのでしょうか。
そうですね。見たら感想文を書いて社長に提出するという課題があったんです。どんなに遅く帰ってきても、絶対1日1本は見て提出する。あれは大変でしたね。感想もちゃんと書かないと言われてしまうので(苦笑)。でも、ちゃんと言語化することで自分でも整理できるし、かなり今に役立っているなと思います。
――それにしても1日1本の鑑賞を、実際に毎日続けるのは大変な作業です。
もともと映画は好きでこのお仕事をする前から見ていましたけど、いざお仕事をするとなった時に、自分が好きじゃないジャンルのものを見ることも、ちゃんと意味があるなと思いました。どんな作品でも自分の見る意識によって吸収できるものがあるので全て必要なことだったように思っています。
――そうした成長を経験しながら、キャリアを重ね、30代を目前に控えた今、ご自身の中で描いている「理想の女性像」や「俳優像」を、最後に教えてください。
いろいろとお芝居の勉強をする中で感じたのが、役者である以前に「人間として面白い人」「人間として魅力的な人」が、結果的にお芝居も素敵なんだということです。この年になってすごくそう思いました。まず一人の人間として普段何をして、何を感じて、何を大事にしているかというのが、結果としてつながっていく仕事なのだと思っています。
だから私も、これから年齢を重ねていっても、常に「今が一番楽しい」という状態で、いろんなことに興味を持ちながらやっていきたいと思っています。

●唐田えりか1997年9月19日生まれ、千葉県出身。2015年に俳優デビューを果たす。映画『寝ても覚めても』(18年)でヒロインを務め、第40回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞など数々の賞を受賞。近年の主な出演作に、話題となったNetflixシリーズ『極悪女王』(24年)、映画『の方へ、流れる』(22年)、『朝がくるとむなしくなる』(23年)、『禍禍女』(26年)『チルド』(26年)『君が死刑になる前に』(26年)などがある。
【衣装】
・Limit till 2359 / リミット ティル トゥエンティスリー フィフティナイン
・ayd / エイド
【スタイリスト】
道端 亜未 / Ami Michihata
望月ふみ 70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビュー取材が中心で月に20本ほど担当。もちろんコラム系も書きます。愛猫との時間が癒しで、家全体の猫部屋化が加速中。 この著者の記事一覧はこちら
Netflixドラマ『極悪女王』での体当たり演技も記憶に残る唐田えりかが、「みんなが言う“プレッシャー”というものは多分これなんだな、と初めて実感した」と明かすドラマ『102回目のプロポーズ』(FOD:配信中/フジテレビ:4月1日から毎週水曜23:00〜)。タイトルからも分かる通り、月9ドラマの金字塔『101 回目のプロポーズ』の続編だ。唐田は、前作の最終回で結ばれた矢吹薫(浅野温子)と星野達郎(武田鉄矢)の娘として生まれ、母と同じチェリストの道を歩む星野光役で主演を務める。

○「色あせないどころか新鮮」名作へのリスペクト
――『101回目のプロポーズ』は、現在28歳の唐田さんが生まれる前に放送された作品です。今回のオファーを受けて、改めて『101回目―』をご覧になったそうですが、どのような感想を持たれましたか?
何も色あせていないというか、逆にすごく新鮮だなと思いました。達郎さんのキャラクターの、あのピュアで真っすぐでくじけない強さ。今の時代には、あそこまでの強さってなかなかないなと。だからこそ、今見ても本当に魅力的に映るドラマだなとすごく思いました。特に、達郎さんと純平さん(江口洋介)の兄弟のシーンが毎話楽しみで。自由だし、見ていて笑っちゃうというか。「ここまでやるの?」みたいなふざけ具合が好きでした。
――名作特集には必ず選ばれるドラマです。続編の主演を務めることへのプレッシャーはいかがでしたか?
これまで、良くも悪くもあまりプレッシャーというものを感じたことがなくて。考えても仕方がないものだって思ってやってきました。でも今回は、1カ月前ぐらいから撮影が近づくにつれてソワソワしてしまって。 「あと1カ月か」とか、「準備不足になってないかな」とか。ふとした時に「あの2人の子ども役なんだな、私で大丈夫かな?」みたいに、不安なことを考えていることの多い自分になっていました。みんなの言う“プレッシャー”というものは多分これなんだな、と初めて実感した感じでした。
――今回に限って、そこまでの重圧を感じた理由は何だったのでしょう。
前作の大きさもそうですし、今回、武田鉄矢さんも光の父役で出てくださる。鈴木おさむさんとのご縁で頂いた作品ということもありました。いろんな要素が重なって、「頑張らなきゃ」と気合いが入っていました。
――今作の企画の鈴木さんは、『極悪女王』で企画・脚本・プロデュースを務められていましたね。今回の主演に際し、ご家族の反応は? 普段から仲良しだというおばあさまには伝えましたか?
伝えました。もちろん祖母も前作『101回目―』を知っているので。でも、実際にまだ今回のドラマは見ていないからか、あまりピンときていないみたいです(笑)。この間、ポスタービジュアルを見せたら「武田鉄矢さん!」と声を上げてました。武田さんと共演するというところが一番の驚きだったみたいです(笑)

○「思いの強さ」を真っすぐに演じたせいや
――さて、前作の頃と今とでは世間一般の恋愛観が大きく異なります。今回、光には大月音(伊藤健太郎)という恋人がいると知っても、愛を伝え続ける太陽もかなり熱い人ですが、この作品の描く「愛の熱さ」や「プロポーズの形」は、唐田さんにどのように映りますか? また同年代の目にはどう映ると思いますか?
時代が変わっても、人に対する思いの形や熱さって、根っこには今も変わらずあると思うんです。ただそれを伝えるまでの過程に、今だといろんな壁を感じる人がいるんじゃないかなと感じます。「こんなこと言ったらどう思われるだろう」「傷つけちゃうかな」とか。現代は伝えるまでにいろいろ考えちゃうことが多いと思うんです。
その中で太陽さんというキャラクターを見た時に、“思いの強さ”を持っているというのは、それだけですごく素敵なことだなって。太陽さんを真っすぐに演じるせいやさんを見ていて、すごく思いました。「当たって砕けろ」ではないですけど、まず「当たる」ということの強さから生まれることって絶対にあると思うので。気遣いももちろん大事ですけど、そういうがむしゃらな人を見た時に、自分と比べて何かを感じる人ってきっといると思います。そういう部分でもすごく勇気を与えてくれるのかなと思います。
●圧倒的量の泣き芝居「寝られないときも」

――光を演じるには、チェリストとしての難しさもあったと思いますが、「泣くシーン」が非常に多い役だとも伺いました。撮影で苦労されている点や、心がけていることはありますか?
泣き芝居は、今までで圧倒的に多いと思います。脚本をもらった段階でも「めっちゃ泣くやん!」って思いました(笑)。前作の浅野温子さんもずっと泣いていらっしゃったので、「まあその娘だし」みたいな思いもありながら(笑)。クランクインから泣き芝居があったんです。「クランクインしてすぐに泣けるかな」と、最初は寝られないときもありました。でも途中からは、あまりの多さに(笑)、そんな心配はせずに現場に行けるようになっていました。
――唐田さんはカメラがご趣味とのこと。今回の現場でも写真を撮られたそうですが、お気に入りの1枚を教えてください。
本編で特に好きなシーンがあって、予告でも少し使われていますが、せいやさんが奥の方からバーっと走ってくるシーン。お芝居しながら、「これっていわゆる名シーンってやつになるんじゃない?」と感じたぐらいでした。せいやさんが飛び切りの笑顔で走ってくるのがすごく素敵で。そのまま撮影の合間に「せいやさん、ちょっと今の感じ、撮っていいですか?」とカメラを向けたら「え?」と言いつつ見せてくれた顔を撮ったんですけど、その写真が一番お気に入りです。めっちゃかわいい、いい笑顔が撮れました。

○4年間続けた課題「全て必要なことだった」
――本作では、何度フラれても立ち上がる太陽の姿が描かれます。唐田さんご自身にも、何度失敗しても諦めずに挑戦を続けた経験はありますか?
10代の時やお仕事を休んでいた時などは、1日1本映画を見ていました。トータルにすると4年ぐらいは「毎日映画を見る」生活をやっていたので、それは自分的には「よく見たなあ」と思いますね。
――立ち上がるための「インプット」だという意識もあったのでしょうか。
そうですね。見たら感想文を書いて社長に提出するという課題があったんです。どんなに遅く帰ってきても、絶対1日1本は見て提出する。あれは大変でしたね。感想もちゃんと書かないと言われてしまうので(苦笑)。でも、ちゃんと言語化することで自分でも整理できるし、かなり今に役立っているなと思います。
――それにしても1日1本の鑑賞を、実際に毎日続けるのは大変な作業です。
もともと映画は好きでこのお仕事をする前から見ていましたけど、いざお仕事をするとなった時に、自分が好きじゃないジャンルのものを見ることも、ちゃんと意味があるなと思いました。どんな作品でも自分の見る意識によって吸収できるものがあるので全て必要なことだったように思っています。
――そうした成長を経験しながら、キャリアを重ね、30代を目前に控えた今、ご自身の中で描いている「理想の女性像」や「俳優像」を、最後に教えてください。
いろいろとお芝居の勉強をする中で感じたのが、役者である以前に「人間として面白い人」「人間として魅力的な人」が、結果的にお芝居も素敵なんだということです。この年になってすごくそう思いました。まず一人の人間として普段何をして、何を感じて、何を大事にしているかというのが、結果としてつながっていく仕事なのだと思っています。
だから私も、これから年齢を重ねていっても、常に「今が一番楽しい」という状態で、いろんなことに興味を持ちながらやっていきたいと思っています。

●唐田えりか1997年9月19日生まれ、千葉県出身。2015年に俳優デビューを果たす。映画『寝ても覚めても』(18年)でヒロインを務め、第40回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞など数々の賞を受賞。近年の主な出演作に、話題となったNetflixシリーズ『極悪女王』(24年)、映画『の方へ、流れる』(22年)、『朝がくるとむなしくなる』(23年)、『禍禍女』(26年)『チルド』(26年)『君が死刑になる前に』(26年)などがある。
【衣装】
・Limit till 2359 / リミット ティル トゥエンティスリー フィフティナイン
・ayd / エイド
【スタイリスト】
道端 亜未 / Ami Michihata
望月ふみ 70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビュー取材が中心で月に20本ほど担当。もちろんコラム系も書きます。愛猫との時間が癒しで、家全体の猫部屋化が加速中。 この著者の記事一覧はこちら
