@AUTOCAR

写真拡大 (全6枚)

キレの良いレスポンス 調整幅の大きい回生ブレーキ

ヒョンデの小さなバッテリーEV、インスター。試乗車は116psを発揮し、0-100km/h加速を10.6秒でこなすと主張される。実際に計測したところ、10.1秒となかなか活発なダッシュ力を披露した。

【画像】ライバル超えの熟成感 ヒョンデ・インスター サイズの近いコンパクトEVはコレ 全148枚

50km/hから110km/h程への中間加速も8.8秒で、パワフルとは呼べないものの、コンパクトカーとして不満ないレベルだろう。市街地の速度域では、キレの良いレスポンスが好印象。速度の上昇とともに勢いは鈍るが、速度管理はしやすい。


ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)

回生ブレーキは5段階から調整でき、ステアリングホイール裏のパドルで切り替えられる。惰性走行を許す弱さから、ワンペダルドライブ可能な強さまで変化は大きく、運転のしやすさへ貢献。同クラスでは、贅沢な機能ともいえる。

ブレーキペダルの踏み応えは、ソリッドで頼もしい。ABSが効くような急ブレーキ時は、安定性に陰りが出るとはいえ、制動距離も充分短い。112km/hからの停止を、47.2mで処理していた。205と幅が広めなタイヤも、貢献しているはず。

しなやかな乗り心地 高速安定性も高い

乗り心地は全般的にしなやか。郊外の道に多い波長の長い起伏を穏やかにこなし、舗装のツギハギや細かな凹凸も、クラス上のモデルのようにいなす。試乗車の17インチではなく、15インチ・ホイールなら、一層の快適性を得られるはず。

高速道路では、背が高めで横風の影響を受けやすいものの、落ち着きも期待以上。加速力を踏まえ、追い越し時は後方車両の流れへ配慮したいところだが。


ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)

グリップ力は高く、加速させながらカーブを巡っても、前輪駆動なことを感じにくいほど。小回りも効き、幅の狭いボディと相まって、市街地では扱いやすさが際立つ。

他方、ボディロールは小さくなく、軽くない車重が影響し、スタビリティ・コントロールの介入も積極的。少しお高めの価格を正当化するように、総合的な運転体験では5 E-テックの方が優れる。

現実的な航続距離は290km前後

今回の試乗での電費は、普段使いを想定した条件の平均で8.2km/kWhと、5 E-テックの8.0km/kWhを僅かに超えてみせた。高速道路での巡航も5.3km/kWhで、0.5km/kWhほど良い。現実的な航続距離は、290km前後といえる。

急速充電は、最高85kWまで。実際に試したところ、残量10%から90%まで回復させる平均値は65kWで、このクラスでは妥当な水準といえる。


ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)

英国価格は、エントリーグレードの01で2万3505ポンド(約494万円)から。ヒートポンプ式エアコンや10.25インチのタッチモニター、アダプティブ・クルーズコントロールなど、装備は充実している。

ライバルより成熟した印象の小さなEV

インスターが登場した3年ほど前と異なり、現在の市場には低価格な電動コンパクトカーの選択肢が複数存在する。英国の場合は、特定のモデルへ補助金が適用されており、ヒョンデが狙ったほどのアドバンテージはないかもしれない。

それでも、高級感の香る特徴的なスタイリングは、共感を誘うものといえる。運転体験も、多くのライバルより熟成された印象がある。実用性に優れ、乗り心地も良い。メジャーなポジショニングではないとはいえ、検討に値するEVであることは間違いない。


ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)

◯:実用性に優れた車内空間 市街地に適したコンパクトさ 充実した装備
△:英国にはより高コスパな選択肢がある 操縦性を鈍らせる車重 やや反応が遅いタッチモニター 部分的に安っぽい内装

ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)のスペック

英国価格:2万6755ポンド(約562万円)
全長:3825mm
全幅:1610mm
全高:1575mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:10.6秒
航続距離:368km
電費:6.2km/kWh(試乗時の平均)
CO2排出量:−g/km
車両重量:1335kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:49.0kWh(グロス値)
急速充電能力:85kW(DC)
最高出力:116ps
最大トルク:14.9kg-m
ギアボックス:1速リダクション/前輪駆動


ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)