品薄・トラブルも続出…「ボンボンドロップシール」は一過性ブームか、新たな文化か
◆UGCが連鎖するSNS時代の拡散
インフルエンサー起点ではなく、「普通の人のSNS投稿が流行のきっかけとなることが昨今の傾向にある」と、椎木さんは指摘する。
「流行のきっかけになったTikTokのDIY動画は、JC・JKのインフルエンサーではなく、一般の方です。最近のトレンドは、インフルエンサーが起点というより、本当に一般の方が質の良いコンテンツを作って、それがちゃんと見られるというケースが多いんです。
そこにインフルエンサーや著名人が、さらにそのブームを加速させる。今回、シール交換ブームに大きな影響を与えたのが、田中みな実さんとあのちゃんだという。
「田中みな実さんやあのちゃんはかなり早い時期からシール帳を作られていたようで、お二人のような芸能人の方がSNSやYouTubeで発信することで、同世代の20代・30代の方たちも『自分もやってみよう』と始めた人は多いと思います。
『シール帳って、今、女子高生たちの間で流行ってるやつだよね』と認識していた大人たちが、あの動画を見て、『あ、自分たちの世代でもやっていいんだ』『それを公にしてもいいんだ』と感じられた。一種の“民主化”が起きた感じはありますね。
一般のJC・JKの中からブームが生まれて、それをインフルエンサーがさらに加速させる。現役のJC・JKからすると、自分たちがブームを生み出しているという面白みは感じていると思います。今のJC・JKの子たちと接していても、ショート動画を作る手際の良さや企画力には本当にすごいものがあるなと感じます」(椎木さん)
◆“世界観を作る世代”の美意識
今のJC・JK、いわゆるα世代の子たちは、「世界観へのこだわり」を強く持っているのが特徴だという。
「男性だと、バイクが趣味とか、音楽をされている方だと楽器を大切に飾ったり、ガンプラやフィギュアが好きといった方もいますよね。コレクション欲みたいなものが一番近いと思うのですが、『すごくこだわりのある手帳にしたい』『シールも一つずつちゃんとこだわりを持って貼りたい』という思いがあるんです。
この『世界観へのこだわり』は、今のJC・JK、いわゆるα世代の子たちには、もう染み付いている感覚だと思います。例えばInstagramの投稿でも、上の世代だと旅行に行ったときやご飯など、リアルの生活に結びついた写真を上げることが多いですよね。
でも、今の若い子たちは、どちらかというと『世界観』をちゃんと作り込んだうえでアップします。例えば『白』を基調としたアカウントなら、白っぽい投稿だけを集めて載せる。それ以外の写真は、フィードには上げずに全部ストーリーズ(24時間限定で消えてしまう)に載せる、というように。
一般の子でもそういうこだわりや美的感覚みたいなものは、他の世代よりもすごく強いんじゃないかなという気がします」(椎木さん)
◆過熱するブームの副作用も
一方で、ブームの弊害も問題視され始めている。人気が過熱しすぎてボンボンドロップシールが品薄となり、入荷するかわからなくてもシール目当てに行列ができるほど。ロフトでは安全確保のため、ボンボンドロップシールの販売を全店で見合わせると発表したほどだ。「加熱するブームの裏で、弊害も生まれ始めている」と、椎木さんは警鐘を鳴らす。
