マタニティマークに賛否 課題と背景は?
マタニティマークは妊娠中の女性が身に着けるマークです。実はアンケート調査によると、妊婦の3分の1はマタニティマークをつけていないという結果が出ているんです。その背景について考えてみます。
2006年に誕生した、マタニティマーク。しかし、出産を経験した人たちに話を聞くと、身に着ける際は葛藤があったといいます。
「マタニティマークつけてたらお腹叩かれたとかけっこうその・・・押されたとか」
過去には札幌市で、妊娠7か月の女性が歩いていたところ、通行人から「邪魔だ」と言われ、腹を蹴られたという事件がありました。また、こんな意見も。
■出産経験者
「どうしてもSNS上では“妊婦様”とかそういうふうな言われ方をするのを見たので」
近年、ネット上で目にする「妊婦様」という言葉。職場や電車内などで、周りへの配慮を求めすぎているとして、揶揄する意味合いで使われています。
■出産経験者
「全員がそういう風に思っているわけではないのに、考えすぎてしまっていたのはありますね」
しかし、最後は3人とも「身につける」決断をしました。
■出産経験者
「つけにくさよりも前に自分と子どもを守るためにつけようっていう」
■出産経験者
「(車通勤で)事故したときとかにまず妊婦だと処置の仕方がまったく違ってくるし、お母さんを助けるのか、赤ちゃんを助けるのかというところもまた変わってくるというか。車にも(マークを)一つつけていました」
マークを使う妊婦側にも勇気が必要だという現実があります。
マタニティマークの目的を確認すると、
①体調がつらいときに配慮を得られやすくすることや、
②近くでの喫煙を控えてもらうということもありますが、
③急病や災害など緊急時に適切な処置を受けられるようにするためという命を守ることに直結するような役割もあります。
決して優先されて当然だというアピールというわけではありません。また、まだお腹が出ていない妊娠初期こそマタニティマークが必要だと知ってほしいという声もありました。お腹が大きくない分、大変さが外から分かりにくいですが妊娠初期こそ体調が悪くなる人も多くいるということも理解が広まるといいですね。そして、マタニティマークをめぐっては、こんな動きもあります。
ひろしま多胎ネットのみなさんです。この日は、双子や三つ子を妊娠している人に向けたマタニティマーク制作イベントの準備をしていました。こども家庭庁がおととし発表した「多胎児用のマーク」。ただ、十分に浸透しているとは言いがたいのが現状です。双子の出産を経験した女性はこう話します。
■双子を出産
「双子の方がリスク高いっていうのはよく言われてますしなにかあったときに二人いるっていうのが外から分かったら有り難かった」
自分に合ったマークを持ってもらうことで、妊娠中の不安を少しでも和らげてほしいという思いです。
■ひろしま多胎ネット事務局 兼田暁子さん
「二人三人のマークを着けている方を見かけたら優しい気持ちになってフォローの手がたくさんできるようなそういうマークになったらいいなと思っています」
妊婦の方々も、抱える事情は人それぞれです。だからこそ、お互いに優しい手をさしのべられるよう、マタニティマークをつける人への理解が広まるといいですね。
【2026年2月12日 放送】
