「この言葉が見つかればアウト」離婚弁護士がLINE調査で必ず検索する"あるキーワード"

■証拠になるのは「常識的に説明できない」状況
不倫で慰謝料を勝ち取るために、最も大切な要素は、「パートナーが貞操義務違反行為を行っている」とわかる決定的な証拠を確保することです。
メディアの影響で、「性行為中の写真や動画」、「ラブホテルから出てきたとわかる写真」など、決定的な証拠がないと不倫は立証しづらいと考えている方が多いのですが、実は裁判官の多くは、要は貞操義務に違反する行為が立証できればいいと考えています。
そのため、肉体関係があったことが明確にわかるような証拠でなくとも、不倫の証拠として認められることがあります。
たとえば、「会社の部下である女性と、公園で抱き合っている写真」や「街で腕を組んで歩いている写真」が証拠として提出された場合。
夫側は、「ただ、抱き合っていただけで、最後の一線は超えていない」と言っていたとしても、常識的に考えれば、いくら親しい職場の友人同士であったとしても、抱きあったり、腕を組んで歩いたりすることはありません。
このように、職場の同僚では説明できないような行為に及んでいた場合も貞操義務違反行為があったと認定されます。
よく、芸能人の不倫スクープなどで、ホテルなどにいっしょに出入りしている様子が写真に撮られることがあります。その際に、芸能人側は、「ただの友達同士で、たしかにホテルにはいっしょに入ったけれども、話をしていただけ。ホテル内で、性的な行為には及んでいないので、浮気ではない」などと弁解することがあります。
でも裁判では、こうした説明は通用しません。
常識的に考えて、「仲のよい異性の友達同士であっても、ホテルの同じ部屋で、わざわざ一晩いっしょに過ごすことはあり得ない」とみなされるからです。
■「愛しているよ」というキーワードが出たらアウト
メールやLINEなどで特定のキーワードが出てきた場合は、裁判ではかなりの確率で、「不倫をしている」と認められやすくなります。これらのキーワードが出てくるメールやLINEを見つけたら、スマホのカメラで写真撮影をしたり、スクリーンショットしたりすることで、証拠を保全しましょう。
・「愛しているよ」、「好きだよ」などの恋愛感情を感じさせるキーワード
・「この前ふたりで泊まりに行った旅行は楽しかったね」など、肉体関係を感じさせるキーワード
■不倫が疑われる配偶者のスマホを勝手に見ても、法的に罰せられない
近年、夫の浮気が発覚するきっかけは、だいたいがスマホです。
「最近、夫が風呂場にもスマホを持ち込むようになった」
「メールが来ると、そわそわしてずっとスマホをいじっている」
これまでになかったような夫の様子を目にした妻が、「これはおかしい」とこっそり夫のスマホを調べることで、浮気が発覚するケースが非常に増えています。
ときどき、「配偶者のスマホを勝手に見るのは、プライバシーの侵害として、違法になるのではないのでしょうか?」という相談を寄せられることがあります。
たしかに、まったくの他人であれば、プライバシーの侵害だとして法的に罰せられるかもしれません。しかし、夫婦の場合は、「配偶者が不貞行為をしていないかを調べる=夫婦の関係性を健全なものにするため」なので、配偶者のスマホを見ることには正当な理由があるとみなされ、法的に罰せられることはありません。
だからといって、妻側が、「法的には罰せられないから」と執拗(しつよう)に夫のスマホを盗み見てしまうと、猜疑心が強すぎる妻に問題があるとされ、離婚原因として認められてしまうこともあるので注意しましょう。
■不倫の証拠をつかむために、興信所に頼むべきか
間違いなく夫が不倫をしている。
そう感じたとき、誰しも決定的な証拠を押さえたいと思うはずです。前の頁でもご紹介したように、不倫の証拠は、必ずしも、「決定的」な様子でなくとも、裁判では認められることが多いです。それでも、より確実な証拠を押さえておかないと安心できないと考える方もいるでしょう。

自分で夫を尾行したいけれども、顔がバレているので自分では動けない。
知人に頼れればよいのですが、尾行には時間がかかるので、安易に頼むわけにもいかない。
そんなときに、多くの方が利用するのが興信所の存在です。興信所に頼むと、複数人での尾行をはじめ、個人では確保できないような証拠を押さえてきてくれることがあります。
■不倫相手について調べるのはプライバシーの侵害にあたる
ただ、興信所の大きなデメリットは、値段が高いということ。業者によっては数十万から数百万円単位で、調査費用を請求するところもあります。
頼む内容によって、支払う金額は違います。相場を知りたいという人は、探偵興信所一般社団法人などの団体で公開している相場を調べておくのがいいでしょう。
参考までに、探偵興信所一般社団法人のHPによれば、浮気調査などの行動調査の場合の1時間調査あたりの単価は、1〜2万円(調査員人数2、3名を動員)と記載されています。興信所にお願いするときは、この相場を目安にしておくとよいでしょう。
なお、最近は「レンタルおじさん」に夫の尾行を頼み、無音カメラなどで決定的瞬間を押さえてもらうというケースもあるようです。ある程度、夫の行動パターンや浮気相手を特定できている場合は、こうしたサービスを使って証拠を押さえることもおすすめです。
興信所を使用する場合、大きな注意点があります。
それは、「夫のことは調べてもいいけれども、不倫相手については調べてはいけない」ということです。
夫は自分の配偶者なので、妻には調べる権利があります。
しかし、夫を尾行した先で出会った浮気相手に関して、妻が興信所を使って調べることはできません。法律上、赤の他人である浮気相手を妻が勝手に調べることは、プライバシーの侵害になるからです。

夫の浮気相手が誰なのかを知りたいと思うのは当然です。メールなどのやりとりから偶然相手を知ってしまうことは仕方ありませんが、妻がその浮気相手について、積極的に名前や勤務先、住所などを調べるのは不法行為になります。
また、相手の浮気の写真を撮影したり、尾行したりすることも、プライバシーの侵害になるので注意しましょう。
まっとうな興信所の場合は、「浮気相手について調べましょう」とは言わないはずです。興信所側から、「浮気相手について調べましょうか」と言われた場合は、注意したほうがよいでしょう。
■浮気相手への“復讐”は不法行為になることも
大切な人を奪った浮気相手の存在を知ったら、つい気持ちが逆上して気が付いたら仕返しを考えることもあるかもしれません。
しかし、いかに妻側が被害者であっても、度を超えた仕返しは不法行為になることも。
・相手の勤務先に、中傷のビラを配る
・相手の勤務先に、「あなたの会社の従業員であるAさんは浮気をしています」と電話する
・不倫相手と話をしている場で、相手にコップの水を浴びせる/平手打ちにする
・公衆の面前で、相手を罵倒する
などの行為は、場合によっては名誉毀損(きそん)や暴行罪として訴えられる可能性もあります。後々、自分の心の傷を深めないためにも気持ちを落ち着かせてください。
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森 公任(もり・こうにん)
弁護士
1951年新潟県生まれ。中央大学法学部卒業。1981年弁護士登録(東京弁護士会)。1983年森法律事務所設立。離婚、相続などの家事事件を数多く取り扱っており、家事事件の受任件数は全国トップレベルを誇る。
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森元 みのり(もりもと・みのり)
弁護士
東京大学法学部卒業。2006年弁護士登録(東京弁護士会)。2006年森法律事務所入所。森法律事務所でおもに離婚案件を担当しており、数多くの女性の悩みに応えている。
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(弁護士 森 公任、弁護士 森元 みのり)
