退任を発表したガットゥーゾ。最終節の後には「精神的にボロボロ」と弱気な発言も。(C)Getty Images

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 5月28日、ミランのジェンナーロ・ガットゥーゾ監督が退任を発表したようだ。『La Repubblica』紙など、イタリア・メディアが一斉に報じている。

 ミランは2日前に行なわれたセリエA最終節でスパルに3-2で勝利したものの、3位のアタランタと4位の宿敵インテルがともに白星を挙げたため、5位が確定。目標だったチャンピオンズ・リーグ出場権を逃がしていた。

 ヴィンチェンツォ・モンテッラ前監督の解任を受け、17年11月にミランU-19の指揮官から昇格し、1年半に渡って悩める名門を指揮した闘将は、次のようにコメントした。

「ミラノのベンチを離れる決断をするのは、簡単ではなかった。でも、そうしなければならなかった。この決断を下した、決定的な瞬間というのはない。

 このチームの監督を務めた18か月は、私にとって、何にも代え難いものだった。情熱を持って過ごしてきた日々は、忘れられない。辛い選択になってしまったが、よく考えて決めたことだ」

 そして、2021年まで残っているクラブとの契約は解除し、サラリーは受け取らないとも語っている。

「私とミラノとの関係で、お金の話をするなんてあり得ない。残り2年の契約は手放すよ」
 
 なお、ガットゥーゾとともにミランのレジェンドである、レオナルドSDの辞任も濃厚だ。ガットゥーゾとレオナルドは、来シーズンに向けて積極補強を望んでいたが、オーナーの投資ファンド『エリオット』とイバン・ガジディスCEOは、ファイナンシャルフェアプレーの規定を遵守するため、「安い選手を買って、価値を高めてから高値で売る」という方針。その強化に関する方向性の違いが、ガットゥーゾが退任を決断をする大きな要因のひとつになったと見られている。

 ガットゥーゾの後任候補には、レオナルド・ジャルディム(現モナコ)、マルコ・ジャンパオロ(サンプドリア)、シモーネ・インザーギ(ラツィオ)などの名前が取り沙汰されている。どの監督が来たとしても、現在のミランを立て直すのは、難しいタスクになるのは間違いない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部