【大野智】TVドラマ『世界一難しい恋』はどんなラストに!? 〜“恋愛初心者社長”と彼を際立たせた女優陣の魅力を振り返る〜
日テレ系水曜10時から放送されている『世界一難しい恋』。この通称「セカムズ」が、いよいよ最終回を迎える。
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これまでの平均視聴率は、松本潤が主演するTBS系日曜9時の『99.9』に次いで2位。毎週楽しみに見ていた人のあいだでは、すでに「セカムズロス」を心配する声も上がっている。はたしてこのドラマはどんなラストを迎えるのだろうか。作品の魅力を改めて振り返りながら、最終回を予想してみよう。
性格難あり男をお茶目に演じる大野智
『世界一難しい恋』は、ひとことで説明すると、ホテルチェーンを経営する若き社長と、中途採用で入社した女性社員とのラブコメディだ。
この若き社長は、経営者としては一流でお金もあるが、性格に難があるという人物。短気でわがままで、社員からの人望もない。とくに恋愛に関しては女心がまったく分からないので、お金目当てに近づいてくる女性がいても、その性格を知るとみんな去って行ってしまうという男だ。
そんな極端な人物・鮫島零治を演じているのが、嵐の大野智。大野くんといえば、2010年に放送された『怪物くん』でコミックのキャラクターを見事に自分のものにしていたが、今回も極端なキャラクターをお茶目に演じている。
ハッキリ言って、ホスピタリティが重要な一流ホテルの経営者という役なので、わがままで女心も分からないキャラクターでは設定に矛盾が生じるはずなのだが、そんな設定もアリかと思わせてしまう役作りを大野くんはしている。このあたりは脚本や演出も含め、コメディの範疇でうまくまとめている作品なのだ。
抑えた演技で実力を発揮した波瑠
大野くんの相手役を務めているのは、今年の春までNHKの朝ドラ『あさが来た』でヒロインを演じていた波瑠。パリの五つ星ホテルで働いていたこともある中途採用の社員・柴山美咲役で、真面目で正義感が強く、世話好きの学級委員タイプというキャラクターになっている。
ただ、波瑠が演じる美咲はそんなに極端なキャラ設定にはなっていなくて、一見、感情があまり表に出ない、マイペースな女性として描かれている。それがかえって大野くん演じる零治のキャラクターを際立たせることにもつながっていて、非常に見やすい作りになっているのだ。
それにしても、波瑠は『あさが来た』の直後にも関わらず、この役をすごくうまく演じていると思う。ふつう、あれだけ話題になった作品・役柄のあとだったら、そのイメージを払拭するような、それこそ極端なキャラのほうが演じやすかったような気がする。そこをあえて抑えたキャラにした(できた)のは、下積み時代が長かった波瑠の実力が発揮された部分じゃないだろうか。
いずれにしても、この美咲のキャラクターによって、零治の恋にせつなさも加わって、ラブコメ作品として深みも出ているのは確かだ。
ドラマのテイストを決定づけた小池栄子
『世界一難しい恋』は、30歳を過ぎても本当の恋を知らなかった零治が、美咲を好きになって、何とかその恋を実らそうとする話なのだが、とにかく性格に問題があって、女心も分からない零治にとっては、何をどうすればいいのかも分からない。
そこで零治に恋愛に関するアドバイスをするのが、社長秘書の村沖舞子(小池栄子)と、ライバルホテルの社長の和田(北村一輝)だ。この2人がいなければ、おそらく零治の恋愛はまったく進まなかったと思うが、とくに小池栄子が演じる舞子は、このドラマのテイストを決定づけた最重要ピースといってもいいだろう。
舞子は、かつて零治の実家である旅館で働いていたが、不倫騒動を起こし、解雇されたという過去がある。その後、零治に拾われて社長秘書になり、現在は本当の家族のように零治を支えている。その舞子が、零治のダメなところはダメだとズバッと言うところが見ていても気持ちいいのだ。
零治は、自分が美咲とつき合っているのか、別れているのかも分からないくらい恋愛偏差値が低い男なので、舞子のアドバイスも初歩的なものから恋愛の真理をつくものまでいろいろある。口調はあくまでも秘書なのに、目線は姉か母親のようなものなので、そこがまた面白いのだ。
7話から8話にかけては、舞子が零治のことを好きだという流れもあり、美咲との三角関係になるのでは?という展開もあった。ただ、ドラマとしては、やはり零治と美咲の関係という軸からはブレることなくラストを迎えると思う。そもそも、この舞子の「好き」という感情こそ、今の零治が理解するには、“世界一難しい”問題になっている。
コメデイセンスが光る清水富美加
このドラマは、零治が経営するホテルチェーンの社長室が主な舞台となっているのだが、その社長室の面々も個性があって面白い。
まず、小池栄子演じる舞子とともに、常に零治のそばにいるのが、専属運転手の石神(杉本哲太)。彼も舞子と同じように、もともとは零治の実家の旅館で働いていた男で、零治を父親のように見守っている。
中途採用の美咲が配属された社長室企画戦略部のメンバーは、気に入らないことがあるとすぐに社員をクビにする零治を恐れつつも、零治と美咲の恋を応援するというスタンスで(そのほうが零治の自分たちに対する態度がやさしいから)、見ていても微笑ましい。
ひとり、まったく空気が読めないお調子者の三浦(小瀧望)という若手社員がいるのだが、状況を混乱させつつも、じつはストーリーを進める役割も担っていて、作品のいいスパイスになっている。
そして、もうひとり、美咲といっしょに入社した新入社員で、美咲の相談相手にもなっているのが、清水富美加が演じる堀まひろ。いわゆる今どきの子というキャラクターなのだが、零治の美咲に対する気持ちにもいち早く気づいた人物で、このドラマ全体のバランスを取る役目も果たしている。
清水富美加は、NHKの朝ドラ『まれ』の蔵本一子役が有名だが、最近のバラエティでの活躍を見ても分かる通り、とにかくコメディセンスがある。興味があったら福田雄一が脚本を担当した『恋の合宿免許っ!』(2014年12月に4夜連続で放送)というドラマをぜひ見て欲しいのだが、残念ながらDVD化されていないので、せめて昨年夏に放送された『となりの関くん』はチェックして欲しい。今後も活躍が期待できる女優のひとりだ。
はたして続編はあるのか!?
さて、『世界一難しい恋』のストーリーは、零治がやっとの思いで美咲に告白することができ、何とかつき合うところまではいくものの、キスさえできない零治に美咲が感情的になってしまい、クビを言い渡されるという展開に。しかも、美咲は和田が経営するライバルホテルに再就職してしまい、2人の距離はかなり遠ざかった。
しかし、9話ではお互いの夢を理解する流れからハグをするシーンまで状況は好転しており、最終回がどうなるか注目される状態になっている。
こういうラブコメディの場合、ハッピーエンドは必至だと思うが、どういう状態が2人にとってのハッピーなのか。とにかく“世界一難しい恋”なので、単純にめでたしめでたしのラストではないような気もする。
美咲には自分のホテルをつくるという大きな夢があるので、その部分は続編も可能なパーツになっているし…。
はたしてどんな最終回になるのか。
期待して見守りたい。
