[Photo:Toru Hanai / Reuters]

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なでしこジャパンがキリンカップで優勝した。アメリカと1─1で引き分け、優勝するためには最低でも4得点が必要だったブラジル戦は、お望みどおり4点を奪っての勝利だった。

ブラジル戦の前半は、前線からプレスをかけてくる相手に対してバタバタしてしまい、バックラインからボールが進まなかった。オウンゴールでなんとか1点をリードして折り返したけど、安藤と川澄の2トップはどちらも裏を取ろうとするタイプで、ボールが収まらず、攻撃の形はままならなかった。
 
後半に入り、宮間が真ん中のポジションに移ったことで、攻撃の起点ができ、バリエーションも増えた。それが功を奏して得点を重ねられたわけだが、男子の親善試合と同じように、試合展開そのものも大味ではあった。ブラジルとスコアほどの差はなかったように思う。ただし、170cm近い長身選手、つまりこれまでの日本にはいなかったタイプのFWである菅澤優衣香が結果を残したのは、素直に喜ぶべきだろう。

自分たちが求め、そして周囲から期待されていた優勝という結果を、有言実行で手にしたことは、非常に素晴らしい。なでしこジャパンの芯の強さというものを感じるね。ただし、その試合内容を冷静に見てみると、アメリカ戦の前半もしかり、金メダルを目標とする上で、少し不安を覚えたのも否めない。
 
中でも、やはり澤の不在は、攻守両面で影響が色濃く出ていたと思うね。守備に関していえば、ダブルボランチが完全に引いてしまう時間帯が目立った。攻撃でも、澤不在のセットプレーは迫力がない。勝つには勝ったが、改めてその存在の大きさを感じたのは僕だけかな。
 
これからスウェーデン合宿を経て、佐々木監督は五輪登録メンバー18名を選ばなければならない。多くの選手にチャンスを与えて、それなりに結果が出ているのはいいが、結果が出ているからこそ、18名の選考が非常に難しい。

澤が五輪本大会で、万全のコンディションで使えるのかどうか。初めから澤の不在を想定したメンバー構成を考えるべきか。監督にとっては頭の痛い、ファンにとっては注目すべきポイントだね。

[Photo:Toru Hanai / Reuters]