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ドライの一般道テストに続き、ウエット試乗会も

ブリヂストンが発表した新ブランド『フィネッサ』。その第一弾となる『フィネッサHB01』のウエット体感試乗会が行われた。

【画像】ブリヂストンの新スタンダードタイヤ『フィネッサHB01』をウエット路面でタイヤの達人がテスト 全60枚

一般道での試乗会は2月に行われ既にレポートしているが、この時は一般道のドライ路面のみの走行だった。そのため、フィネッサの特徴としてブリヂストンが掲げているウエット性能を確認する場面として、改めて栃木県黒磯にあるブリヂストンのテストコースで、ウエット試乗会を企画してくれたのだ。


ブリヂストンの新ブランド『フィネッサ』。その第一弾となる『HB01』をウエットで体感試乗。    平井大介

ブリヂストンの、フィネッサにかける意気込みと自信がうかがえる。

フィネッサとエコピアの違いは?

ということなので早速試乗に移りたいところだが、改めてブリヂストンの新ブランドタイヤの第一弾、フィネッサHB01について、その立ち位置と技術的な特徴を簡単に紹介しておこう。

前回のレポートでは『エコピアの上、レグノの下』と紹介したが、うんと乱暴に言ってしまうと、エコピアに代わるスタンダードタイヤであり(エコピアも併売)、価格帯は同等かやや安価に設定しながらも、タイヤとしての性能を全体にグレードアップしている。


新しい商品設計基盤技術『エンライトン』を搭載した、新世代のスタンダードタイヤだ。    平井大介

ブリヂストンの新しい商品設計基盤技術である『エンライトン』を搭載した、新世代のスタンダードタイヤだ。

ウエット性能を支えているのは、溝奥まで同じ太さで刻まれた縦溝=スクエアグルーヴと、排水性に優れたトレッド両サイドの横溝=スプラッシュラグ。

これに加えて、エンライトンによって作られた新しいタイヤプロファイル(断面形状)と、ブロック変形時の接地面形状の変形を抑える3D-M字サイプIIによって、実接地面圧をより均一にしていることも、グリップ性能を引き出す役割を担っている。

その結果、フィネッサのウエットブレーキはエコピアNH200比で15%短縮、残溝6mm(2万km走行相当)でも12%短縮している。

残溝6mmのフィネッサと新品のエコピアNH200と比較

では、実際に走らせると、どうなのか。

まずはスキッドパッドでの比較。ここでは残溝6mmのフィネッサと新品のエコピアNH200との比較を行った。試乗車はトヨタ・プリウスで、サイズは195/60R17となる。


以前一般道でも試乗レポートを行ったタイヤの達人、斎藤聡がテストを担当。    平井大介

コンパウンドはほぼ同じなので、性能差が出るとするなら、実接地面積と排水性の違い。車速が20km/h前後の話なので、排水性よりは接地面積のほうが性能を左右する要素が大きい。

先にエコピアを走らせてみると、案外グリップ性能が良く、コンパウンド自体がウエット路面で仕事をしてグリップを作り出しているのが確認できた。

一方、フィネッサで走ってみると、より強く路面にグリップしている。手応えがよく、ステアリング操作の小さな動きにも反応してくれる。コンパウンドは変わらないので、グリップの良さは実接地面積の広さ。つまり、エコピアと比べ旋回中の接地面形状と接地面圧が均一で、よりグリップを引き出せているということだ。

ハイトワゴンとも好相性

ドライ路面でも、エコピアとフィネッサの比較ができた。試乗車はホンダN-BOXで、サイズは155/65R14。スラロームと高速旋回、レーンチェンジを試した。

エコピアと比べるとフィネッサの方が、ロードノイズが少なく、全体にノイズが抑えられている印象。操縦性では初期応答がよく、40km/hで通過するスラロームではステアリングの舵角も少なくて、少ない操作でスイスイと走ってくれる。


ホンダN-BOXで、ドライ路面のスラロームと高速旋回、レーンチェンジを試した。    平井大介

また、レーンチェンジではタイヤのヨレが少なく、変形からの戻りも早いので、クルマの姿勢変化が少なく、安定感が高い。

ドライ路面での印象は、エコピアよりもタイヤに腰があり、しっかりとボディを支え、安定性を保ってくれるのが実感できた。ハイトワゴンとの相性の良さも、特筆すべきポイントだ。

ワンランク上の安心、安全と快適を提供

ウエットハンドリングコースでも、エコピアとフィネッサを比べることができた。試乗車はトヨタ・シエンタで、サイズは185/65R15だ。

両者は、かなりはっきりと差が認められた。フィネッサのほうが接地感があり、より広い面積で路面を捉えているような安定感があった。


ウエットハンドリングコースでも、トヨタ・シエンタでテスト。    平井大介

また、コーナーでもステアリングを切り出した時の応答がよく、操作どおりにスーッとノーズが向きを変えてくれる。コーナリング中の舵角もエコピアと比べると少ない。

興味深かったのは、高速コーナーでのエコピアとフィネッサの違い。エコピアに徐々にハイドロプレーニングのような挙動が見え始める速域でも、フィネッサは路面を捉えており、手応えもしっかりしていた。

その大きな理由のひとつは、トレッドデザインの違いによる、旋回中の耐ハイドロプレーニング性能の違いだとは思う。しかしそれだけでなく、感覚的には旋回中のタイヤの接地面の変化が少なく、強い横G下でもより良い接地面形状をキープしているように感じられた。

適度にダンピングの効いたケース剛性と、3D-M字サイプ採用によるブロック剛性などがうまく機能して、接地面形状を保っているのだろう。

ウエット性能と快適性をレベルアップ

新しいスタンダードタイヤ、フィネッサHB01は、これまでブリヂストンが取り組んできた省燃費性能をスタンダードタイヤの基本性能として備えたうえで、ユーザーが求めているウエット性能と快適性のレベルアップを図っている。

要は、ドライでもウエットでも走っていて安心感があり、走り易いタイヤだということ。『ワンランク上の安心、安全と快適を提供し、幅広いお客様のカーライフを支える』というフィネッサのブランドコンセプトを、高いレベルで実現していると言えよう。