新幹線の旅の日だけの贅沢を「今夜は自宅で旅気分!」ゆる節約家が「1000円ごほうび」で買ったもの

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消費者の約94%が節約を意識

2025年5月、日本生協連(COOP)が組合員に行った「節約と値上げ」の意識調査によると、前年に続き、全体の約94%が日頃から節約を意識していると回答。

その理由として、「モノやサービスが値上がりしているから(62.3%)」「将来の生活に備えて貯蓄するため(52.6%)」が挙がった。

また、直近3ヶ月に行った節約項目では、「ふだんの食事(食料品・菓子・飲料・テイクアウトなど)」が63.7%で1位。世の中の節約志向を表している。

けれども、そんな日々だからこそ、普段頑張っている自分を癒す時間が欲しい。2026年3月に刊行された『わたしの1ヶ月1000円ごほうび3』(おづまりこ著/KADOKAWA)は、まさにそのヒントを教えてくれる一冊だ。

著者のおづまりこさんは、過去約10年にわたり年収200万円の生活を送りながら、2015年にブログ「1ヶ月食費2万円生活」をスタート。温かみのある食卓と等身大の工夫が話題を呼び、『おひとりさまのあったか1ヶ月食費2万円生活』を出版し、漫画家として活躍の場を広げた。現在は「レタスクラブ」で「わたしの1ヶ月1000円ごほうび」を連載中。「月に一度だけ、1000円台で自分を癒す」というルールのもと、小さな贅沢を積み重ねる暮らしが、多くの共感を集めている。

徹底的に選び抜き、味わい尽くす

これまでのシリーズでは、高級いちご「あまおう」を味わったり、国産はちみつを楽しんだり、コンビニであえて散財してみるなど、ささやかながらも心を満たす体験が描かれてきた。

本書の試し読み記事の第1話では、子どもの頃からの憧れだったカステラの「ひとりじめ」を実現し、第2話では「芋姉ちゃん」と呼ばれるほどのさつま芋好きとして、専門店の芋菓子を大人買いした。

それぞれに共通しているのは、限られた1000円という枠の中で徹底的に選び抜き、味わい尽くす姿勢だ。そこには、選ぶ喜びと同時に、何を選ぶかの真剣勝負、選択の覚悟という静かな緊張感も漂っている。

新幹線旅のささやかな楽しみ

第3話で描かれるのは、そんなおづさんの日常に彩りを与える「旅の味」。新幹線に乗るときだけのささやかな楽しみだったいなり寿司を、あえて普段の食卓で味わうという試みだ。

いつもは旅先でのことを考えるのか、腹八分目、いなり寿司の購入は4個ほどで抑えるところを、今回は「1000円ごほうび」として思い切って7個一気に購入。店はいつもおきまりのいなりすし専門店「豆狸」、毎度のことで慣れ親しんでいるはずだが、注文する時のおづさんの表情は真剣そのものだ。

まず外せないのが、イチオシの「わさび」2つ、次にこれもお気に入りの「生姜」2つ、そして間違いない「五目」2つに、定番の「豆狸」1つ。お会計は税込みで1062円だった。

自宅に持ち帰り、インスタントの味噌汁を用意。湯気の立つ椀とともに並べられたいなり寿司を、これも旅の時と同様「わさび」から味わう。「ぴりっとした辛みが絶妙」。

「次に何を食べるか選ぶのもまた楽しい」と「五目」に箸をのばす。そして口に入れて味わいつつ、新幹線の窓から見えた景色を思い浮かべるのだ。

おづさんの「1000円ごほうび」の味わい方を見る度に、買い物の達人という言葉が頭に浮かぶ。たかが1000円、されど1000円。おづさんは金額の大小にかかわらず、1ヶ月に1度の特別な機会を、全身で堪能しようとする意欲にあふれている。

真剣に選び、真剣に味わう。こんなにも「向き合ってもらった」1000円も、いなり寿司もさぞ幸せなのではないかと思えるのだ。

本編は著者の実体験に基づくエッセイです。商品・サービス内容、価格等は変更となる場合がありますのでご了承ください。

◇旅のお供を、あえて「ごほうび1000円」に選んだおづさん。これまで何度も食べていたものでも、今日は特別にたくさん選べて、お腹いっぱいまで食べられる。それも嬉しい「ごほうび」になることを教えてくれた。

続く第3話「コメダ珈琲で20代のころから「ゆる節約生活」続ける漫画家が選んだ「1000円台の贅沢」」は、読書をしようと思ったおづさんがある場所へと出かける。「1000円ごほうび」を使った読書に最適な場所とは。

読書デーには「甘いもの」でお楽しみ気分に。ゆる節約生活家の漫画家がお得な朝食で名高い喫茶店を選んだ理由