自民党大会の景品も石油製品(自民党広報公式Xから)

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 米国とイスラエルによるイラン攻撃のせいで、日本の製造業が大打撃に震え上がっている。要因はナフサの供給不安。日本は国内で精製する国産ナフサの原料を含め約8割を中東に依存するが、政府は「足りている」と繰り返すだけ。危機感ゼロにメーカーの不安・不満は募るばかりだ。

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 帝国データバンク(TDB)が先週17日に公表した〈「ナフサ関連製品」サプライチェーン動向分析調査〉によると、集計対象とした日本の製造業15万社のうち約3割にあたる4万6741社がナフサ関連製品の「調達リスク」に直面する恐れがあるという。事業規模別では、売上高1億円未満の中小企業が約9割(4万1417社)を占めた。

 TDBは〈(政府は)「流通の目詰まり解消」で事態の打開を図る方針ではあるものの、短期的な解決は難航することが予想される〉〈当面は多くの製造業で連鎖的な「事業縮小リスク」にさらされることになる〉と指摘。ところが、これから予想される中小メーカーの苦境をよそに、政府は塩対応だ。安定供給が欠かせない医療分野に対してすら冷たい。

■原薬すら製造できない!

 医療・医薬品の専門紙「日刊薬業」(17日付電子版)によると、資源エネルギー庁の細川成己危機管理報道官は17日の定例記者ブリーフで、ナフサ供給に関して「医療分野向けに優先配分する予定はない」と明言。中東以外からの代替調達や在庫取り崩しで対応可能との考えを示した。

 この前日、参院厚労委員会に参考人として出席した製薬大手「Meiji Seika ファルマ」の小林大吉郎会長はナフサの供給不安について「保険薬価の中で事業を展開しているので、ナフサ関連の価格高騰があると、中小メーカーには死活問題になる可能性がある」と強調。医療分野への優先供給の必要性を訴えていたのに、政府は一蹴したのだ。

「特に製薬分野は安定供給の責任があるので、普段から在庫をある程度抱え、バッファーを設けるようにしています。政府は余裕があるかのような口ぶりですが、見通しはハッキリしません。仮に代替調達できても、これまでの調達ルートと違うわけで、価格高騰した場合の保証があるわけでもない。医薬品は原材料価格が高騰しても、最終消費者たる患者から追加料金を取ることはできないので、最悪の場合、製造からの撤退もあり得ます」(製薬会社関係者)

 ナフサがなければ、医薬品の有効成分である原薬すら製造できなくなってしまう。政府の「まだ大丈夫」は、もう通用しない段階に入っている。

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