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今年はゴルフGTIデビュー50周年

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI。

【画像】情熱的な赤備え! フォルクスワーゲンのホットハッチ『ゴルフGTI』 全44枚

筆者のような1980年代ホットハッチに憧れる世代にとって、これはパワーワードのひとつだ。初代GTIは1976年にデビューしており、今年はちょうど50周年となる。


キングズレッドメタリックのフォルクスワーゲン・ゴルフGTIから取材スタート。    平井大介

ドイツ本国では『GTIエディション50』と呼ばれる特別仕様も登場し、歴代最強となる325psのパワーユニットを搭載。ニュルブルクリンクの一部区間では、911のGT系に匹敵するほどの実力だという。

それを知って抱いたのが、「ゴルフGTIに乗りたい」という想いであった。そこで今回はGTIに加え、まだ乗ったことのない新型ゴルフRと続けて取材することで、『スポーツ・ゴルフ』をじっくりと味わうという趣旨である。まずは、キングズレッドメタリックのGTIから取材がスタートした。

室内に乗り込むと、ステアリングとシートに赤いステッチが使用され、シート自体がタータンチェックとなる、GTIでは王道となる組み合わせが目に入ってきた。シートバックには赤くGTIの文字が刺繍され、(設定変更はできるものの)イルミネーションも赤くなっており、内外装はまさに赤備えといった様相で心が自然と熱くなる。

ゴルフ自体が持つ使い勝手のよさ

乗り始めて最初に思ったのは、実はゴルフ自体が持つ日常的な使い勝手のよさであった。

登場した当時は「大きすぎる」という声もあったディスプレイは解像度が高く、視認性の高さが際立つ。個人的な使用環境では、ブルートゥースで接続するオーディオ再生のスムーズさも特筆すべき点だった。再接続が苦手なクルマは意外と多いのだ。


ゴルフGTIらしく、タータンチェックと赤いステッチが特徴となる室内。    平井大介

スマートモードを持つエアコンは、取材した期間が結構寒かったので『足元を暖める』というスイッチが有難かった。室温に応じて自動的にステアリングとシートヒーターが入る機能も自然な効き方で、装備のための装備ではなく、人に寄り添った上で考えた機能と感じられる。

シートの座り心地もしっくりきて、「ゴルフっていいクルマだなぁ」と街中を流していてじわじわと思い始めた。室内の広さを優先したのか荷室が若干狭い気がして、そういった向きにはヴァリアント=ワゴンとなるわけだが、残念ながらGTIはハッチバックのみの設定となる。

惜しいと感じたのは、標準装着されるナビゲーションの使い勝手がよくないこと。インターフェイスがわかりにくく、音声案内も若干カタコトに聞こえる日本語なのは気になった。また、IDAと呼ばれる音声認識もクセがあるようで、今回の取材期間では使いこなすことができなかった。

いずれも慣れなのかもしれないが、わりと早い段階でアップルカープレイに切り替えてしまった。

そんな細かいことは全て忘れてしまう

しかし少しでもペースを上げれば、そんな細かいことは全て忘れてしまうほど、ゴルフGTIの走りは素晴らしいものだ。

パワーユニットは2L直列4気筒ターボで、最高出力265ps/最大トルク37.7kg-mというスペック。トランスミッションは7速デュアルクラッチを組み合わせ、もちろんフロント駆動となる。車重1430kgは軽量とは言わないまでも、重い傾向にある電動化モデルに慣れていると軽く感じる数値だ。


ゴルフGTIは、ハッチバックのみの設定となる。    平井大介

足まわりはGTIらしく街中では硬い印象ながら、その硬さが不快でないことに感心した。恐らくはボディ剛性が高く、足がしっかりと動いているのだろう。「いいアシだなぁ」と、走れば走るほどGTIというクルマを好きになっていく。

スペックから想像できるように圧倒的な速さがあるわけではないが、全域で力強く走る印象だ。ペースを上げても怖さはなく、常に安心感がある。ステアリング径が比較的大きくクイックさを与えないあたりも、安心、安全のフォルクスワーゲンらしさを感じる部分だ。

そんなゴルフGTIの価格は557万9000円となるが、その完成度の高さから、十分にそれだけの価値があるように感じた。そして700万円オーバーと、かなりの価格差があるゴルフRは? ……長くなりそうなので、次回に続きます。