「才能は衰えていない」W杯でのブラジルの“復権”にネイマールは必要か 核不在の悩めるサッカー王国で議論噴出「リーダーシップには疑問符」

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現在は古巣サントスでプレーするネイマール(C)Getty Images

 異分子にもなりえるガラスのエースは“王国”の復権に必要か否か。相次ぐ怪我によって、代表から遠のいていたネイマールの招集を巡る議論が白熱している。

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 来る6月にアメリカ、メキシコ、カナダの3か国で開催されるワールドカップに向け、各国代表チームが着々と強化を進める中、2002年の日韓大会以来24年ぶりの世界制覇を目論むブラジル代表も、最終メンバーの選考に思考を巡らせている。

 優勝候補の一角に据えられるブラジルは、25年5月に就任したカルロ・アンチェロッティ監督が就任。百戦錬磨の名将とて、わずか1年での骨格作りは容易ではなく、とりわけ攻撃陣はヴィニシウス・ジュニオールや、ラフィーニャ、エンドリッキ、ジョアン・ペドロ、ロドリゴといった欧州トップリーグで存在感を示しているタレントの起用法を模索し続けている感が否めない。

 試行錯誤を繰り返し、誰が主力で、どの組み合わせがベストなのかが定まらないセレソン(ブラジル代表の愛称)にあって、しきりに叫ばれているのが、ネイマールの電撃復帰である。

 ずっとセレソンの“軸”だったネイマール(サントス)だが、代表でのプレーは、膝に重傷を負った23年10月のウルグアイ戦以来、遠のいている。

 懸念されるコンディション面の問題は、昨年12月に膝にメスを入れた他、筋⁠肉疲労で試合欠場を繰り返すなど、今も解消されたわけではない。一方で、いわゆる「核」が欠落している現代表には、代表通算79ゴールを生み出している彼のような“起爆剤”を取り入れるべきではないのかという声が小さくないのも事実だ。

 識者たちもネイマールをW杯に呼ぶべきか否かの“ジレンマ”に頭を悩ませる。

 日刊紙『Diario de Pernambuco』のコラムニストであるベド・ラーゴ氏は「世界サッカー史上最も輝かしい選手の一人に数えられるほどの技術力を持つネイマールは、紛れもない輝かしいキャリアを築いてきたが、そのリーダーシップには疑問符がつく」と指摘。さらに「調子が良く、集中力も高い時のネイマールは、単なる招集選手ではなくなる。どんな状況も一変させる才能は決して衰えていない。最高レベルで決定的な役割を果たす能力は、今も評価に値する。しかし、まさにそこにジレンマがあるのだ」とぼやいている。

「ピッチ上でのネイマールの振る舞いは、しばしば偉大さと衝突する。絶え間なくこぼれる不満、そして相手選手や審判に対する明らかな苛立ちは、最終的にチームにおける彼の影響力を損なうものだ。結局のところ、彼は違いを見せる証明しなければならない。

 それは、試合の流れを変え、決定的な役割を果たしつつ、何よりもピッチ内外でブラジル代表において不可欠な選手であり続けるということだ。その方程式は単純だが厳しい。ただの一員であるだけでは不十分なのだ」

 なお、カルロ・アンチェロッティ監督は、仏紙『 L’Equipe』のインタビューにおいて「彼には次のワールドカップに出場できるだけの力があることを証明するための時間は、2か月もある」と説明。その上で「何度も言ってきたように、彼を代表に選ぶ条件は非常に明確だ。私はフィジカル的な準備が整った選手を招集する」と強調した。

 果たして、ネイマールは“サッカー王国”を世界一へと導く救世主となるのか。彼を取り巻く議論はメンバー発表の瞬間まで続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]