「自治体DX」が再加速、関連株に“ポスト標準化”投資の新潮流 <株探トップ特集>
―行政サービスの高度化で追い風、SaaSとAIが切り拓く新たな成長領域―
イランを巡る地政学的リスクへの警戒感が継続し、神経質な展開が続く東京株式市場だが、米国とイランが4月8日に2週間の停戦で合意したことで、日経平均株価は前週に3800円と週間で過去最大の上昇幅を記録。しかし、11~12日に行われた協議では米国とイランが戦闘終結に向けた合意に至らなかったことで、再び緊張感が高まっており、先行き不透明感が強まることになった。
世界が地政学リスクに揺れ、外需セクターの先行きに不確実性が高まるなか、注目したいのは国内の成長領域だ。なかでも国が継続的に支援する自治体のDXは、当初目標とされた2025年度末に情報システム標準化の期限を迎えたことで投資が一巡したかのように思われがちだが、移行が完了した自治体では、共通基盤上でのデータ活用や行政サービスの高度化という「ポスト標準化」の投資が本格化する。それに伴いビジネスチャンスを拡大させる企業に注目したい。
●「自治体システム標準化」とは
コロナ禍で浮き彫りとなった日本におけるデジタル化の遅れを取り戻すために、さまざまな分野で DX化が加速している。地方行政に関しては、21年5月に「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」が成立。これを受けて22年10月には「地方公共団体情報システム標準化基本方針」が閣議決定され、全国約1800の地方公共団体(市区町村)の基幹業務システムについて、25年度末までにデジタル庁が策定する標準仕様書に準拠したシステムへ移行する標準化が進められることになった。
自治体システムの標準化は、全国の自治体が住民基本台帳や税務など同じ行政事務を行っているにもかかわらず、システムの仕様がバラバラであることからくる非効率を解消するために必要なプロセスだ。非効率の解消ばかりではなく、これまでは制度改正のために自治体ごとに独自のシステム改修を行う必要があったが、共通の標準仕様に基づくことで、開発や運用・保守のコストを自治体間で共有できるようになり、国全体の支出も削減できるといったメリットも大きい。また、データ形式が統一されれば、自治体間のデータ連携や、マイナンバーを活用した行政手続きのワンストップ化が実現しやすくなる。こうしたことから、標準化は自治体DXの要とされていた。
●今後本番を迎える「ポスト標準化」投資
ただ、全ての地方公共団体が期限とされる25年度末(26年3月末)までに標準化できたわけではない。デジタル庁が2月27日に発表した進捗状況によると、25年12月末時点で全体の52.3%にあたる935団体が標準化を当初目標の25年度末までにできない見通しとした。同年10月末時点より192団体増えたことになる。
この増加の背景には、移行が本格化するなか、移行作業やその後の運用に想定以上のSEリソースが必要であることが判明したことなどで、事業者による移行スケジュールの大幅な見直しが行われたことがあるとされる。このため政府は「特定移行支援」というセーフティネットを敷き、移行が困難な自治体に対して26年度以降への期限延長を容認。これに伴い、追加予算が市場に流れ込むことになる。
また今後は「ポスト標準化」として、基幹業務以外の個々の業務を更新するDXの第2フェーズが始まることになる。さまざまな手続きなどをクラウド型で提供し、柔軟に機能追加できる SaaSによる実務のDXや、問い合わせ対応・文書作成を担う生成AIソリューションが新たな成長領域として浮上するとみられ、これらに関連する企業のビジネスチャンス拡大が期待できよう。
イランを巡る地政学的リスクへの警戒感が継続し、神経質な展開が続く東京株式市場だが、米国とイランが4月8日に2週間の停戦で合意したことで、日経平均株価は前週に3800円と週間で過去最大の上昇幅を記録。しかし、11~12日に行われた協議では米国とイランが戦闘終結に向けた合意に至らなかったことで、再び緊張感が高まっており、先行き不透明感が強まることになった。
世界が地政学リスクに揺れ、外需セクターの先行きに不確実性が高まるなか、注目したいのは国内の成長領域だ。なかでも国が継続的に支援する自治体のDXは、当初目標とされた2025年度末に情報システム標準化の期限を迎えたことで投資が一巡したかのように思われがちだが、移行が完了した自治体では、共通基盤上でのデータ活用や行政サービスの高度化という「ポスト標準化」の投資が本格化する。それに伴いビジネスチャンスを拡大させる企業に注目したい。
●「自治体システム標準化」とは
コロナ禍で浮き彫りとなった日本におけるデジタル化の遅れを取り戻すために、さまざまな分野で DX化が加速している。地方行政に関しては、21年5月に「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」が成立。これを受けて22年10月には「地方公共団体情報システム標準化基本方針」が閣議決定され、全国約1800の地方公共団体(市区町村)の基幹業務システムについて、25年度末までにデジタル庁が策定する標準仕様書に準拠したシステムへ移行する標準化が進められることになった。
自治体システムの標準化は、全国の自治体が住民基本台帳や税務など同じ行政事務を行っているにもかかわらず、システムの仕様がバラバラであることからくる非効率を解消するために必要なプロセスだ。非効率の解消ばかりではなく、これまでは制度改正のために自治体ごとに独自のシステム改修を行う必要があったが、共通の標準仕様に基づくことで、開発や運用・保守のコストを自治体間で共有できるようになり、国全体の支出も削減できるといったメリットも大きい。また、データ形式が統一されれば、自治体間のデータ連携や、マイナンバーを活用した行政手続きのワンストップ化が実現しやすくなる。こうしたことから、標準化は自治体DXの要とされていた。
●今後本番を迎える「ポスト標準化」投資
ただ、全ての地方公共団体が期限とされる25年度末(26年3月末)までに標準化できたわけではない。デジタル庁が2月27日に発表した進捗状況によると、25年12月末時点で全体の52.3%にあたる935団体が標準化を当初目標の25年度末までにできない見通しとした。同年10月末時点より192団体増えたことになる。
この増加の背景には、移行が本格化するなか、移行作業やその後の運用に想定以上のSEリソースが必要であることが判明したことなどで、事業者による移行スケジュールの大幅な見直しが行われたことがあるとされる。このため政府は「特定移行支援」というセーフティネットを敷き、移行が困難な自治体に対して26年度以降への期限延長を容認。これに伴い、追加予算が市場に流れ込むことになる。
また今後は「ポスト標準化」として、基幹業務以外の個々の業務を更新するDXの第2フェーズが始まることになる。さまざまな手続きなどをクラウド型で提供し、柔軟に機能追加できる SaaSによる実務のDXや、問い合わせ対応・文書作成を担う生成AIソリューションが新たな成長領域として浮上するとみられ、これらに関連する企業のビジネスチャンス拡大が期待できよう。
