メンタルへの懸念強まる(C)ロイター

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【トランプ2.0 現地リポート】

トランプ大統領に「認知能力低下」説が急浮上 タガが外れた暴言連発で“身内”MAGA派からも正気を疑う声

「停戦に合意しなければイランの“文明全体”が破壊されるだろう」

 トランプ大統領のこの威嚇発言は世界を震撼させた。

 市民やメディアの反応は、これまでと明らかに異なる。この発言自体が戦争犯罪と指摘されただけでなく、憲法による大統領解任の可能性の議論にまで発展している。

 これまでと何より違うのは、大統領のメンタルに関する表現だ。

 最も強い言葉を使っているのはヨーロッパメディアだ。仏ル・モンド紙は「明らかに狂っている」とまで踏み込んだ。英ガーディアン紙も「正気を失った狂人」という言葉を見出しにしている。

 アメリカメディアでも、「正気の沙汰ではない」「現実から乖離している」という表現が公然と使われるようになった。

 精神医学の専門家の間でも、懸念は強まっている。メンタルヘルス専門のマインドサイトニュースは、「トランプ氏は精神的に深刻な問題を抱え、極めて危険」という専門家の見解を掲載。さらに、その判断が「核兵器使用リスクに発展しかねない」とまで指摘した。

■支持者も「マーベル映画の狂った悪役」

 こうした評価は、もはや反対勢力に限らない。影響力のある保守系インフルエンサーや支持者からも、「大量虐殺を企てる狂人」「マーベル映画の狂った悪役」といった言葉が聞かれるようになり、内部崩壊を示唆する声も出ている。

 この状況を受け、民主党や一部共和党議員の間では、憲法修正25条による大統領解任を模索する動きも強まっている。同条は、副大統領と閣僚の過半数が「大統領が職務を遂行できない」と判断すれば、解任が可能と定めている。しかし、政権内部の構造を考えれば、ハードルは極めて高い。

 こうした状況の下で、多くの市民やリベラル・中道メディアが最も懸念するのは、アメリカが同盟国からの信頼を完全に失ったのではないかということだ。

 ウォールストリート・ジャーナルは、同盟国が“予測不能なアメリカ”に不信を抱きながらも、依存せざるを得ない状況にあると報じた。

 ニューヨーク・タイムズはこう指摘する。

「アメリカは依然として巨大なパワーを持つ。しかし、“良い大国”と思われた時代は終わった」

 いま私たちが直面しているのは、「狂気と形容される指導者が率いる超大国」という現実である。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)