スポニチ

写真拡大

 ◇セ・リーグ 阪神3―0中日(2026年4月12日 バンテリンD)

 阪神は12日、中日戦(バンテリンドーム)に3―0で勝利し、今季初の同一カード3連勝を飾った。先発の左腕・高橋遥人投手(30)は丁寧にコースを突き、被安打5の10奪三振。今季3度目の登板で早くも2度目の完封勝利を挙げた。阪神投手が4月までにシーズン2度の完封勝利を飾ったのは、88年伊藤文隆以来38年ぶり。中日先発・高橋宏との「高橋姓対決」を快投で制して今季初の4連勝へ導き、首位をキープした。

 高橋の輝きは、投げるたびに増していく。「頑張れ!頑張れ!ハルト」の大声援を背に上がった9回のマウンド。打者3人であっさり片付けると、ようやく笑顔が広がった。

 「強いボールを最後まで投げられたのが一番。ストレートが良くなってきているので、自信になりました」

 貫禄すら漂う123球だった。初回に1死二塁とされたが、変化球を低めに集めてサノー、細川から連続三振。これで波に乗った。9回の122球目に148キロを計測するなど、直球の威力は最後まで落ちなかった。10三振を奪い、三塁すら踏ませない圧巻の内容。今季3度目の登板で早くも2度目の完封勝利を挙げ「できすぎ」と笑った。阪神投手が4月までにシーズン2度の完封勝利を飾ったのは、88年伊藤文隆以来38年ぶりの快挙だ。

 セ界屈指の「高橋姓対決」で遥人が中日の宏斗を圧倒した。相手右腕とは24年9月3日以来2度目の投げ合いとなったが、これで2戦2勝だ。中日戦は通算8勝1敗、21年から5連勝と相性の良さも際立つ。この日はバットでも試合の流れを渡さなかった。3回1死二塁で迎えた第1打席は遊直に倒れたが、11球も粘った。「バットに当てるのが精いっぱい」と謙遜したが、5回1死一塁では初球に犠打を決め、先制点をお膳立てした。

 入団後は左肘や左肩など度重なる故障に苦しみ、5度の手術を経験した。「同じ手術をして投げられてる人って希望にもなるけど、それよりも(リハビリ中は)うらやましいが勝つ。頑張ろうっていう気持ちもあるけど、なんか複雑でした」。投げられない苦しさを誰よりも知るからこそ、リハビリに向き合う後輩を無理に励ますことはしない。「現状を気にしてくれるだけでも気持ちは楽だった」。今は一定の距離感を大切にしながら、後輩に優しく寄り添う。

 今季は計24回で失点はわずか1、防御率0・38と抜群の安定感を誇る。「ずっとしっかり投げられるように頑張ります」。目標のシーズン完走へ、力の限り腕を振るつもりだ。 (山手 あかり)

≪4月までに2完封は88年伊藤文隆以来≫

 ○…高橋が今季2度目の完封勝利。阪神投手が4月までにシーズン2度の完封勝利を飾ったのは、88年伊藤文隆以来38年ぶり。過去には58年大崎三男、59、60年小山正明、64年村山実、69年若生智男、江夏豊、73年谷村智博と前出の伊藤が達成しており、高橋で8人目9度目となった。

 ○…高橋は9イニング123球の力投。21年9月25日巨人戦の128球、19年6月20日楽天戦の124球に次いで自己3番目の球数で、左肘の手術後では最多となった。

 ○…高橋の中日戦成績は通算14試合で8勝1敗となり、21年9月18日(甲子園)から5連勝となった。