裁判所に向かうヘンリー王子(ロイター)

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 ヘンリー王子をはじめとする著名人たちが、新聞社によるハッキングなどの不正行為を申し立てている訴訟で「非常に高額な損害賠償」を求めていることが、30日の高等法院で明らかになった。英紙デーリー・メールが31日、報じた。

 かねてヘンリー王子は、デーリー・メール紙とメール・オン・サンデー紙の記者たちが自分を標的にし、私立探偵を雇って自分の留守番電話のメッセージをハッキングさせたと主張していた。1月には高等法院で自ら証言台に立ち「彼らは私の妻の人生を完全な悲惨なものにした」と涙ながらに訴えていた。

 両紙を発行するアソシエイテッド・ニュースペーパーズ・リミテッド(ANL)社は、これらの主張を否定し、同社の記者は報道にあたって正当な情報に基づいて行動したと反論している。

 11週間にわたる裁判の最終弁論で、ヘンリー王子と他の原告側の弁護士は、新聞社に対する訴訟で「勝訴した」と語っている。

 原告側の弁護士であるデビッド・シャーボーン氏は、書面による法的主張の中で「原告1人ひとりは、犯された不正行為に対する補償として、非常に高額な損害賠償を受ける権利がある」と述べている。明確な賠償額は明らかにされていない。

 しかし、ANL社側は、訴訟の中心となっている記事は違法行為ではなく「通常の正当なジャーナリズム」の産物であると主張している。 

 ANL社の弁護士であるアントニー・ホワイト氏は、同社のジャーナリスト40人以上を「尊敬に値する、成熟した、人格の良い職業ジャーナリスト」と表現した上で、違法なハッキングを依頼したとして告発されたとしつつ、彼らが違法行為を行っただけでなく、全員が高等法院で証言する意思を示したことは「あり得ない」と擁護している。

 ホワイト氏は「通常の合法的なジャーナリズムが行われたことは、電話のハッキングや盗聴、その他の違法な情報収集行為よりも、一般的に可能性が高い」と語っており、書面による法的提出書類の中で、プライバシー侵害の申し立ては、報道改革団体「ハックド・オフ」による「政治的キャンペーン」の一環だと主張している。

 裁判は31日に終了する見込みで、判決は今年後半に下される予定だ。