一般社団法人栃木県猟友会の公式Xより

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長野県小諸市、大町市は21日、「信州ガバメントハンター協議会」を設立した。ガバメントハンターとは、狩猟免許を持ち、鳥獣被害の対策にあたる自治体職員だ。警察や自衛隊のOBがなることもある。日常業務と並行して、鳥獣対策にあたる。協議会は、2市で連携を深めつつ、人材育成に取り組むべく立ち上げられた。今後、他の市町村にも呼びかけていく。

ガバメントハンターの名称が注目されるようになったのは、2025年10月30日に開かれた「クマ被害対策等に関する関係閣僚会議」で、石原宏高環境大臣が早期育成をかかげたことがきっかけだ。クマ被害が深刻化したため、対策として育成をしていく。ガバメントハンターと猟友会が、協力し被害を抑制することを期待されている。

猟友会がクマなどを駆除する場合は、駆除・捕獲の判断を行政にあおがなければならない。一方、ガバメントハンターは、現場の判断で駆除ができるところが異なる点。猟友会への連絡の手間が省け、鳥獣被害対策としてすぐに対応ができる点がメリットだ。即駆除か捕獲を依頼するか決められる。

猟友会は普段別の仕事をしているため、依頼があってもすぐに駆け付けられるとは限らないが、ガバメントハンターは職務として迅速に対応することも可能だ。

クマの捕獲・駆除は、猟友会に善意で協力してもらう形で成り立ってきた。しかし、命の危険がある、報奨金が安い、猟銃を撃った際の責任などリスクの大きさも浮き彫りになってきた。ガバメントハンターが設置できれば、猟友会のこういったリスクを減らすこともできる。

石原環境大臣は、クマへの対策としてガバメントハンターの確保を掲げ支援していくとしている。

ガバメントハンターの歴史は30年前から

石原環境大臣の言葉で広まったが、ガバメントハンターの歴史はもう少し古い。北海道羅臼町(らうすちょう)では、自治体職員が30年以上前から存在する。市町村の判断で発砲可能な「緊急銃猟」を運用するうえで欠かせないという。

協議会を設立した長野県小諸市では2011年から、ガバメントハンターを導入。岩手県では、3月1日付けで5人着任した。新潟県でも4市で導入予定としている。

クマ対策として期待されているが、北海道の猟友会・堀江篤会長は「国で駆除をしてほしい」といいつつ、引退した警官や自衛官をガバメントハンターにすることには「その場しのぎ」と切り捨てている。堀江会長は、警察や自衛官のOBであっても「クマを撃つのは次元が違う」とコメント。若い世代を雇用し、訓練した専門職になる持続的な制度を求めた。

専門職として成長させることも必要だが、まずはクマによる被害を減らすことが先決だ。猟友会と協力して、うまく回せる仕組みとなることを望む。

文/並河悟志 内外タイムス編集部