ゴールド・インド株・ハイテク銘柄…“儲かりそう”で飛びつく前に。投資初心者が知っておきたい「資産配分のセオリー」
ゴールド・インド株・ハイテク企業といった話題性の高い投資先は、「儲かりそう」という印象から投資初心者が手を出しやすい一方、資産の役割やリスクを十分に理解しないまま投資すると、大きな失敗につながりかねません。本記事では、塚本俊太郎氏による著書『私が投資したNISA・iDeCoのお金、このままで大丈夫?』(インプレス)より、流行に流されがちな投資判断の落とし穴を紹介します。
高騰中の「ゴールド」で一儲けしたい…今すぐ飛びつくべきか
Q.金の価値が高騰しています ゴールドも投資した方がいい?
A.値上がり益を狙う資産ではありません リスク資産の補完として考えましょう
ゴールドは世界に一定量しかなく希少価値があります。ただし経済活動に使われるわけではないので、付加価値は生み出しません。
一方で、インフレや、戦争等の地政学リスクが発生すると、安全資産として需要が高まり、市場価格は値上がりします。株式や債券とは値動きが異なるため、資産の一部にゴールドを組み入れて、資産全体の値動きを抑えるという使い方もあります。
ただ、あくまで値上がり益を狙うという目的ではないので、資産全体の1割程度までに抑えることを意識しましょう。
下のグラフが示す通り、近年はゴールドの市場価格が右肩上がりで上昇しています。

しかし、ゴールドは本来リスク資産と逆相関の値動きをする特徴を持ちます。ポートフォリオのリスクを軽減する手段として検討する資産です。
中長期投資においては、前提として値上がり益が期待できる資産ではないことは留意しておきたいところです。
勢いのある「インド株」には投資すべきか
Q.インド株に投資してもいい?
A.新興国特有の地政学リスクに注意 投資は資産の2割までに留めましょう
2019年〜2020年は一時落ち込んだものの、インドの経済成長率(GDP成長率)は6〜9%程度と高水準で推移しています。基本的に株式市場は経済成長と深い関係があることを踏まえると、インドの株式市場の上昇に期待する人もいます。
実際に、インド市場の代表的な株価指数SENSEXを見ると、2020年に一旦調整局面があったものの、その後は約2,7倍(2025年9月時点)も上昇しました。しかし、インドはまだ新興国であり、先進国と比べて地政学リスクが高いというのも特徴です。
2016年11月には、500ルピー札と1,000ルピー札の使用が急遽中止され、銀行預金の引き出しも1日2,000ルピーに制限されたこともありました。
それらのリスクも勘案して、ポートフォリオに含めるなら全世界株式やS&P500などのメインの投資を8割、それ以外のサブは2割まで抑えることをおすすめします。
トレンドの「ハイテク企業の投資信託」で攻めの投資、本当に成功するのか
Q.FPから攻めの投資としてハイテク企業の投資信託を勧められたがどう?
A.テーマ型の投資信託はすでに旬が過ぎていることが多い
FPとの相談の仕方によって返ってくる答えは大きく変わります。例えば「ちょっと攻めの投資をしたい」と相談したとすると、「攻めたい」という言葉には、より高いリターンを狙いたいという意図が含まれていますよね。
そうなると、NISAで人気のオルカンやS&P500のように幅広く分散された投資ではなく、特定の分野や企業を絞り込んだ商品を紹介される可能性が高くなります。その絞り込みがうまくいくかどうかはわからないため、結果として当たり外れが大きくなるはずです。
FPの方も「攻めたい」という希望に合わせ、通常とは違うアドバイスをせざるを得なかったかもしれません。ハイテク企業の投資信託は、米国のIT企業に投資するテーマ型と呼ばれる投資信託かと思われます。
テーマ型の投資信託はAIやロボティクスなど、トレンドとなっているキーワードや産業に関連した銘柄に投資する商品です。ただし、商品が設定される頃にはすでに人気が高まっており、投資家の資金が集中するため、株価が割高になっていることも少なくありません。その後ブームが落ち着くと、基準価額が下がるケースも多いのです。
FPに相談する際は、まず自分の相談内容が的確かどうかを確認し、そのうえで提案されたアドバイスのメリットとデメリットをしっかり聞くのがいいでしょう。話題性や一時的な人気よりも、自分の目的や投資方針に合っているかを意識することが大切です。
金融教育家
塚本 俊太郎

