記事のポイント キジックは、自社のハンズフリー靴技術がスケッチャーズ製品に模倣されたとして、特許侵害の訴訟を提起した。 スーパーボウル広告で話題となった人気シリーズが訴訟対象で、4件のユーティリティ特許と2件の意匠特許が争点となっている。 キジック側は「模倣ではなく革新を選ぶべきだった」と強調し、訴訟を通じて知財の正当な保護と収益分配を求めている。


フットウェアブランドのキジック(Kizik)とその親会社であるハンズフリーラボ(HandsFree Labs)は、スケッチャーズが同社の知的財産を模倣したとして、連邦裁判所に提訴した。訴えの対象となっているのは、スケッチャーズの人気製品である「ハンズフリー・スリップイン(Hands Free Slip-In)」ラインである。

この訴訟は、7月24日木曜日にテキサス州の連邦裁判所に提出され、事件番号は「2:25-cv-00744」。争点となっているのは、スケッチャーズの複数のモデルが、靴紐を結ばずに手を使わずに靴を履くことができるキジックの技術を故意に模倣しているかどうかである。

今回の訴訟は、スケッチャーズが2024年5月に3Gキャピタル(3G Capital)によって約94億3000万ドル(約1兆3930億円)で買収された数か月後に起きた。

訴状では「HFLは、スケッチャーズによる広範な侵害行為を止め、ハンズフリー靴の真の先駆者としての地位を確立し、スケッチャーズが生み出す年間数十億ドルの収益および94億2000万ドル(約1兆3900億円)の買収金額に対して正当な取り分を得るために本訴訟を提起した」と述べている。

スケッチャーズは、訴訟提起後のコメント要請に対して即座に応じていない。だが、この訴訟は同社の買収直後という重要な時期に起きた。2024年のSkechersの年間売上は89億7000万ドル(約1兆3250億円)で、前年比12.1%の増加だった。

Super Bowl広告で人気化した靴シリーズが争点に



訴えの対象であるハンズフリー・スリップインは2022年に発売され、2023年にはスーパーボウルの広告(Snoop Dogg、Tony Romo、Martha Stewart出演)で広く知られるようになった。

全22ページに及ぶ訴状では、ハンズフリーラボが保有する4件のユーティリティ特許と2件のデザイン特許をスケッチャーズが侵害していると主張。知的財産権の侵害認定と模倣行為の差し止め、ならびに損害賠償、訴訟費用、弁護士費用の支払いを求めている。

なお、キジックが知的財産を守るために法的措置を取るのは今回が初めてではない。今年初めには、整形外科用フットウェアメーカーDrew Shoeとのあいだで、デザイン模倣に関する和解に達している。

「模倣ではなく革新を選ぶべきだった」



ハンズフリーラボのCEOに6月初旬に就任したギャレス・ホスフォード氏は、7月24日木曜日にModern Retailへ送った声明で「ハンズフリー靴は、スケッチャーズが単にコピーした製品ではなく、我々が創り出したカテゴリーだ」と述べている。

ハンズフリーラボは2017年にキジックを立ち上げ、現在までに200件以上の特許を取得または出願しており、ナイキ(Nike)をはじめとする企業に技術をライセンス提供している。今後、そうした提携の拡大も視野に入れている。

「我々は現実の課題を解決するための技術開発に力を注ぎ、ハンズフリー靴を実現した。いま、その成果を守るために、模倣を選びイノベーションを避けた企業と対峙せざるを得ない」とホスフォード氏は語った。

原文:Kizik sues Skechers over alleged copying of hands-free slip-on shoe

Melissa Daniels(翻訳・編集:成田明香里)