「よし、俺も頑張ろう」古巣ファジの躍進にNEC佐野航大も燃えた。アヤックスに敗れるも対等にデュエルで応戦。示した成長の跡【現地発】
「ファジアーノが面白いサッカーをしているな。力強い時のファジアーノだな」
古巣の岡山が3−0で勝利し、7日のべガルダ仙台との決勝戦にコマを進めた。
「よし、俺も頑張ろう」
アヤックス戦を数時間後に控えた佐野は気持ちを奮い立たせた。
「球際のところで今日はちょっと足が届かなかったり、相手に入れ替わられてしまう局面が何回かありました。ボールを握るという点でも、もっと自分のところから展開したかったですが、ちょっと難しかったです」
それでも今年2月、アヤックスと対戦した時より、佐野は成長を感じている。2−2で終わったアムステルダムでの試合、佐野は相手選手のフィジカルに押されていた。しかし、今回は対等にデュエルで応戦し、出足鋭くセカンドボールを拾ってから攻撃を展開した。その姿にこの10か月間の成長の跡を見た。
本人は、岡山の人たちに自身の成長した姿を見てほしかったようで「アヤックス戦は日本で配信がありましたか? アヤックスに勝つことを届けられたら良かったんですけれど...。岡山の人たちが見ていたら嬉しいです」と語っていた。
「僕はファジアーノ岡山の結果だったり(チェックを怠らない)。いち岡山県民(佐野の出身は津山市)としてもJ1は悲願。別にサッカー選手だからというわけではなく、岡山県民の一人として応援しています。自分が成長させてもらったクラブですし、絶対にJ1に上がってほしいと思ってます。選手たちにそんなに連絡とかしてませんが、岡山県民として本当に応援してます」
アヤックス戦の佐野はデイビー・クラーセンと飽くなき1対1を繰り広げた。一見、ボールを持つ佐野の方が優勢のようだったが、元オランダ代表MFは巧みなマークとコース切りで、佐野に縦へのパスを許さなかった。
「(クラーセンは)すごくポジショニングが良かった。別に彼のところにボールは行ってないですけれど、ボールが来たら良い場所にいるなというのがずっとあった。アヤックスはやっぱり全体を通してポゼッションがうまいし、いるべきところにいた。そういうところが凄かったと思います。
アヤックスのああいう良いサッカーを自分たちもしていきたいし、自分のサッカー観にもどんどん入れ込んでいきたい。相手の選手からも学ぶことがたくさんあった」
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岡山からオランダへ飛び立った佐野は、こうした一流選手たちとしのぎを削りながらさらに世界へ羽ばたこうとしている。先週のユトレヒト戦(1−2)後、佐野はこう語っていた。
「ヨーロッパに来てからすごくCLを意識するようになりました。日本ではCLを見ているだけだった。こっちだと知っている選手や移籍してきた選手がCLに出てたりする。マグネス(・マットソン)がコペンハーゲンでCLに出たり、イェスパー・シレッセン(過去にCLで41試合出場/現ラス・パルマス)が正ゴールキーパーとしてレアル・マドリーとやったりとか、そういうのが凄いなと思いますね。ヨーロッパの世界はCLが主流なんで、そこに向けて選手たちは頑張っている」
アントワープに移籍したチャロン・シェリー、現在もNECでプレーするCBブラム・ナウティンク、MFラッセ・シェーネもCLの舞台でプレーした経験を持つ。
「そうですね。マジ、凄いですよ。僕もそうなりたい」
当然のことながら佐野はCLへの思いとともに、日本代表への憧憬の念を抱く。
「日本代表は見ていて面白いですね。レバークーゼンとか、僕は3−4−3のチームを見るのが好きなんです。日本代表の試合は『僕が入った時にどこなんだろう』と『ここに入ったらこういうプレーをしたい』『ここでプレーする時は最低限、こういうことをしないとな』
(と想像しながら見ている)。
シャドーだったり、ウイングバックだったり、どこでもできるのが僕の強み。ファジアーノの時は3−5−2の左ウイングバックをやることが多かったんです。たまに右やボランチもやりました。僕は『ウイングバックっぽくないウイングバック(=MFタイプ)』でしたが、運動量はありました」
日本代表のことは、小川航基がいろいろと話してくれるという。CLで揉まれた猛者、日本代表の点取り屋から刺激を受けながら、佐野はNECで充実した日々を過ごしている。
取材・文●中田 徹
